若いころからオーディオに興味があって、
毎週買っていた「週刊FM」などに、
オーディオ記事もあったように記憶しているのだが、
ガンガン鳴らせるシステムを構築したいと思っていた。
月刊誌の「Stereo」に登場するリスニング・ルームを夢見たりもしていた。
それなのに、はじめて親に買ってもらったのが、
木をふんだんに使ったパイオニアの4チャンネルステレオで、
音量を上げてもやわらかい音質は、幸せな別世界に連れて行ってくれたが、
音響装置の顔とは別に、高級感を漂わせた家具の表情も持ち合わせていた。
この頃のテレビも、家具調の豪華なものが主流であったが、
いかにも高度成長時代期の、成金センスたっぷりの代物であった、お恥ずかしい。
この親に買ってもらったステレオは、
実に高価で、親には悪いことをしたと思っているが、
CDが主流になるまで大事に使った。
時は流れ、はじめてのCDステレオが、1988年ソニー製のセットもの。
腎臓結石の超音波施術でおりた保険金10万円で、購入できた。
これはいまだに元気で、奥方が使ってくれている。
もうその頃には、お金のかかるオーディオ装置に、興味はなくなっており、
レコードの代わりに登場したCDを購入しなければならない事態になっていたので、
もっぱら音源収集にかかりっきりになっていた。
今もそう思っているが、
音楽を楽しめれば、機材は二の次で何の問題もないのである。
で、その後子どもも大きくなり、シャープとONKYOの、
2セットのCDステレオを追加購入し、今日に至る。
私の部屋には、初代ソニーの次に買った、MD対応可能なCDステレオが置かれている。
MDは廃れ、トレンドはHDD(ハードディスク)内蔵のステレオで、
ものぐさな私は、HDDにCDを記憶させたいとばかりに唐突に欲しくなり、
ネットサーフィンで、圧力鍋購入時より熱心に研究、比較検討、物色、また研究。
で、比較検討&研究の結果、購入。
それが、セットもののHDDステレオではなくて、
あろうことか、外国製のスピーカーを買ってしまった。
悪魔に囁かれた、というほかない衝動買いをしてしまった。
遠い昔のオーディオ・ボーイの血がよみがえってしまった。
生まれてはじめての、単体スピーカーの購入である。
私のあこがれには入っていないまったく知らなかったブランド。
ネットサーフィンして、売れ筋一番の優れたスピーカーらしいので、
ネット価格で一番安い店で、妻の同意のもとに手続きを済ませてしまった。
とにかく、これまでの人生のなかで、見たことも聞いたこともないスピーカーを、
数時間で購入してしまったのである。
それが、B&Wという英国の音響メーカーの685というスピーカーである。
税・送料込みで5万2500円であった。
昨日は、帰宅途中に梅田のヨドバシカメラに立ち寄り、
B&Wの685と対面してきた。
ヨドバシのオーディオコーナーに居並ぶ製品は、高級品ばかりで、
私のスピーカーは、美しくてコンパクトで廉価で、
別の意味で存在感はあるのだが、もう買ってしまったあとだったので、
試聴は遠慮しておいた。
スピーカーが決まると、あとはCDプレーヤーとアンプが必要となる。
CDプレーヤーとアンプも見学して来た。
マランツ(これまた昔からの憧れ)の5003シリーズならプレーヤーとアンプ両方が、
実勢価格4万8千円で買えるので、まっさきにそれを見学。
実物は思ったより大ぶりで、見かけは高級品なのだが、
性能は価格と比例するのかもしれない。
周辺のアンプ類の価格は桁がひとつ違っており、
マランツの5003の試し聴きも、恥ずかしいので一旦遠慮しておいた。
まだ未決のCDプレーヤーとプリメインアンプ、
機種の決定までに、今からたっぷり悩んで楽しんでみようと思う。