暗夜光路N市-V/横尾忠則
横尾忠則、現在73歳。
彼はもっと若いと思っていた。
1960年代からこの作家を見続けているけれど、
作品もあふれるほど見ているけれど、
どちらかというと、好きではない作家だった。
でも、最近2つの番組で彼の特集を見て、
彼の話し振りを聞いて、
どちらかというと好きな作家に変わった。
いま金沢21世紀美術館で回顧展が開かれていて、
金沢まで観に行きたいなと思わせるほど、好きになった。
公開制作。
横尾は、お客さんの目の前で数時間をかけて、
絵を描くところを公開している。
いっとき、Y字路ばかり描いていて、
公開でY字路を制作しているところを番組で見て、
私も見たいと思ったのであった。
それを見て、ますます好きになったのである。
ふるさとの兵庫県西脇市のY字路など、
写真で撮り溜めては、作品に仕立て上げている。
画像の作品は「暗夜光路N市-V」、
N市とは西脇市、Vはその5作目の作品という意味である。
右の道路と左の道路の、行き着く先はどこなのだろうか、
楽しい想像が膨らむ作品群である。
その未知なる2点の出発点には、スポットライトが当たっているようにも見える。
いまは、メダカを飼っていて、
水のなかにいるような絵を中心に描いているようである。
これまたそんな絵を、公開制作しているところを、番組で見てしまった。
いつか、横尾忠則に会いにいきたい。