少子化問題と子ども手当
わが国では、女性の4分の1が65歳以上なのだというニュースが、
敬老の日に流れた。
健康的な長寿社会だということではなく、
少子化問題が浮き彫りになってきたという、ショッキングなニュースであった。
残念ながら私は子ども手当てはもらえないし、配偶者控除廃止によって増税にもなる身。
だから、私にはこの手当てに特段関係しないのであるが、
子ども手当てを支給するのに、所得制限を設けるのには反対したい。
まず高額所得者の定義だが、一般的な目安は「年収1千万円以上」ということらしい。
夫婦共働きで、一家族の所得だとこれに抵触する家庭はそこそこあるだろう。
また、若き共働き夫婦が、年々所得が増えていけば、抵触するケースが出てくると思う。
それらを管理するのが、おそらく区役所や市役所といったことになるのだろう。
子ども手当ては、まず申請を受け付ける方式だと予想できるので、
役所は申請書のチェックとその管理を、
子どもが中学を卒業するまでしなくてはならなくなる。
そこに、年収制限が加わると、
申請を受理した所帯の、子どもの年齢とその人数に加えて、
その所帯の所得をチェックする行為が発生する。
この所得を把握するという追加チェックが、
どれほどの手間ひま(コスト)が係るのか、私には分らないが、
そのコストは他のサービス向上にシフトさせて、
もっと大きな無駄を削減して財源を確保しつつ、子ども手当ては、一律に支給がいいと思う。
高額所得者に、子ども手当てを支給しないと、どれだけ節約できるのか知らないけれど、
子ども手当てに約5兆3000億円必要なことは覚悟しているので、
ここは敢えて国民を区切る線を引くことをしないで、
社会全体で少子化問題を考えてもらいたいと思う。
そういう意味では、共働き夫婦への子育て支援も急がれると思う。
保育所や保育士の充実をまず何とかするべき。
とにかく待機期間なしで預かってくれる施設を、
急いで、たくさん作ってほしいと思っているだろう。
欲を言えば、子どもをできる限りフレキシブルに預かってくれる施設を、
待ち望んでいると思う。
母親は、経済的なことだけで共働きを続けているわけではないということを、
-働きたいから働く、将来配偶者に頼らなくてもいいために働いていることを、
社会全体で分かり合えるようにしなければならない。
幼稚園と保育園の管轄省庁が違うという、
国民にとってはどうでも良いその区別の歴史継承に早くピリオドを打って、
小学校へ行くまでの子どもの面倒の見方を、早く整備するべきだと思う。
出産手当と子ども手当てと就学までの子どもの面倒見を、セットでそろえて、
ようやく、少子化問題を考えるためのスタートが切れるのではないだろうか。
内需拡大のための子ども手当てという側面もあるのだが、
単なるバラマキで終らせないためにも、人口問題に関連付けて、
国全体で考えていく問題なのだと思う。
財源は大変だと思うが、いま公的投資をしてなんとか手を打たないと、
50年後には、何だか大変なことが起こってしまうような気がしてくるのである。