仕事帰りのカーラジオで、
心が温まった。
被告は、13年間一人で介護してきた寝たきりの60歳の妻を包丁で刺して、
殺人未遂の罪に問われていた。
以下、判決を伝えるニュース内容。
判決で、山口地方裁判所の向野剛裁判長は 「人一人を殺そうとした事実は重く、被告の責任を軽く見ることはできない」と指摘しました。 そのうえで「被告は、しんしな愛情から13年間にわたって妻を介護し、疲労が蓄積していた。 妻は厳しい処罰を望んでおらず、実刑にするのは適当でない」として、 定期的に生活の指導などを受ける保護観察の付いた懲役3年、 執行猶予4年の判決を言い渡しました。
裁判官だけが下す判決なら、純粋に被告の罪だけを見つめ、
被告の執行猶予中の生活面まで配慮することはない。
裁判員が、被告の執行猶予期間中に「保護観察」を付けることまで提案したようだ。
このように、裁判制度に詳しい識者が話していると、ニュースは伝えていた。
人を、ましてや愛する妻を傷つけることなど許されることではないが、
それでも、長きにわたる介護で疲れていたのだろうと、執行猶予の判決が下された。
そして、裁判員たちは被告に届くよう、裁判長に自分たちのメッセージを託したのであった。
ニュースの続きである
判決のあと、裁判長は 「裁判員からのメッセージを伝えます。 自分の生きがいを見つけ、肩の力を抜いてこれからの人生を過ごしてください。 奥さんが望んでいることを考え、周りとも協力して、二度と奥さんを悲しませないでください」 と語りかけました。 その間、裁判員の何人かは被告をじっと見つめ続け、 被告が深々と頭を下げると、おじぎをした人もいました。
裁判の判決を伝えるニュースを聞いて、ほんわかとした気持ちになったのは生まれてはじめてであった。
そして、なぜか涙が止まらなかったことも。