遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

A Hard Day's Night/ザ・ビートルズ

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A Hard Day's Night ザ・ビートルズ


曲目リスト
1. A Hard Day's Night
2. I Should Have Known Better
3. If I Fell
4. I'm Happy Just to Dance With You
5. And I Love Her
6. Tell Me Why
7. Can't Buy Me Love
8. Any Time at All
9. I'll Cry Instead
10. Things We Said Today
11. When I Get Home
12. You Can't Do That
13. I'll Be Back


“Here's looking at you ,kid.”を

「君の瞳に乾杯」と訳したのは高瀬鎮夫

“Love means never having to say you're sorry”を

愛とは決して後悔しないこと」と訳したのも高瀬鎮夫。


しかし、“A Hard Day's Night”を、

ビートルズがやって来るヤァ! ヤァ! ヤァ!」とした犯人は、水野晴夫であった。

どんなタイトルをつけようが、女の子は映画館に大挙押し寄せたから、

関係なかったと思えるが、映画配給会社の宣伝マンとしては、気が気ではなかったのだろう。

このアルバムは、映画「ビートルズがやって来るヤァ! ヤァ! ヤァ!」の、



正確に言うと、7曲目までが映画に使われた曲で、

押しも押されぬ有名曲が入っている。


私のお気に入りの曲 2.の「 I Should Have Known Better」を、

映画では、ジョンが列車(貨車)の中で歌うシーンが忘れ難い。


また、1.の「A Hard Day's Night」が流れるなか、

ビートルズの4人が、大勢のファンの女の子に追いかけられるシーンで、

ジョージが演出じゃなくてマジでこけるところがあるのだが、

これもなぜか忘れ難いシーンである。


一方、ビートルズ通は、マイナーな8曲目以降のB面がお気に入りのようである。

ま、一旦好きになれば、とことんどこまでも好きなんだけれど、

B面は、ほとんどがジョンのリードボーカルである。

たとえば11.の「 When I Get Home 」のジョンの歌を聴いていると、

このアルバムから2年後の日本公演のときは、

六本木の骨董店に、あのピンクのキャデラックを乗り付けた変な若者であったが、

彼は生来のロックン・ローラーだなとあらためて感じるのである。


こんなに歌のうまい若者は、そんなにいるものじゃない、

当時24歳の、日本の古美術にも目のない若きロックン・ローラーの歌を聞いていただきたい。

その他、アコースティックな響きのフォーク調や、

軽快なカントリー風の曲なども取り揃えてある。



映画は、半ばドキュメンタリーのように、彼らを追いかけた作品であったが、

ビートルズじゃなくても、

たとえば若くて仲の良い4人組を観ているだけで、

それはそれで、さわやかで気持ちのよくなる出来事なのであった。

彼らは、単に音楽的才能があるだけじゃなくて、

ルックスも個性的で不快感を与えないところが、稀有な4人組であった。

この誰もが知っているこのジャケットが、そのことを物語っている。