遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ツール・ド・フランス2009

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J-SPORTSというチャンネルで久々にツール・ド・フランスを観戦。

ベルナール・イノーやローラン・フィニョンが大活躍した1980年代には、

生放送ではなかったと思うが、NHKでよく観ていた。

総合優勝に最も近い選手が着用している黄色いジャージを、

マイヨ・ジョーヌというが、その頃にこの言葉を覚えた。

さらに、このツールの人気度と、コースの多様性と、

総合優勝がいかに偉業かということを知ったのもこの頃である。


今年のツール・ド・フランスは21ステージ3500kmを走破するレースで、

最終日の7月26日にパリで最終ゴールを迎える。

1チーム9人の編成で20チームが出場、

したがってスタート・ラインについた選手は180人ということになる。

現時点で、最も優れた調子のよい自転車乗りが、地球の各地から参戦している。


今年は、13年ぶりに日本人が出場し、しかも2人がスタートラインにつけたのである。

新城(あらしろ)幸也(ブイグテレコム)と別府史之(スキル・シマノ)が、

その若き挑戦者たちである。


本日は、大会2日目の第2ステージで、モナコを出発して灼熱の南仏を、

180km走行する一日であった。

風向明媚な南フランスを行く、統制のとれた180人の集団は、とても美しい。

俯瞰で見る彼らは、さらに一段と美しい。



そこで、唐突に問題、

今日のステージ前半、

4人の選手が大集団から抜け出していて、ゴールまで残り140kmというときに、

その4人のうち一人の選手の自転車のチェーンがはずれてしまった。

当然その選手はスロー・ダウンを余儀なくされたのだが、

では残りの3選手の取った行動はいかなるものだったか。

A.ライバルが脱落したのだから、ここがチャンスとばかり、3人ですっ飛ばして行った。

B.脱落した選手が、チェーンをはめ直して追いついてくるのを3人でゆっくり待った。








正解は「B」。

自転車競技は、一人で走ると風の抵抗を受けてすぐバテてしまうので、

複数人数で先頭を交代しながら走ると、効率のいいレース運びができる。

したがって、3人で残り140kmを交代で走る選択より、

4人で集団を維持していく方が先行き楽なので、

すぐ復帰してくる選手を待っていたのであった。


ただこの麗しい4人は、ゴールまで残り10kmあたりで力尽きて、

第2集団の大選手団に結果的には飲み込まれてしまった。


さて、第2ステージの、ゴールまで残り3kmのラストスパートには、

新城と別府の両日本選手は、脱落せずにしっかり参加していて、

そして、なんと新城選手は5位入賞!!!という快挙を打ち立てたのである。


まだ始まったばかりで、暑すぎた一日ということを割り引いても、

新城選手(沖縄出身)は素晴らしいレース運びであった。

何とかもう少し長く頑張って、今年の夏を楽しませて欲しいところである。

別府選手にも頑張って欲しい。