今日は夜7時まで仕事。平均的な帰宅時刻。
朝8時から11時間を自分のオフィスで過ごしている。
月-金の5日間、1日24時間の半分を仕事場で過ごしている、
少し長居しすぎだと思う。
オフィスを出でてすぐの交差点で信号待ち、
見上げれば、その交差点を取り囲む背の高いビル群で、暮れかかった空が実に狭く見える。
その巨大ビル群は、すべての窓には煌々と照明が灯り、
その中で多くの人がまだ仕事を続けている。
数ある先進国の中で、ILO(国際労働機関)条約の批准が最も遅れているのが、わが国である。
180を超えるILO条約のうち、日本が批准した条約は48条約である(2007年現在)。
ヨーロッパ諸国のフランス(115)、イタリア(101)、イギリス(81)、ドイツ(76)などに比べ
著しく低い水準にとどまっている。(ヨーロッパの数字は1999年末現在)。
しかも、1号条約(一日8時間・週48時間制)、47号(週40時間制)、132号(年次有給休暇)、
140号(有給教育休暇)などの労働時間・休暇関係の条約は未批准である。
これらの条約に批准していないわが国は、
たとえば労働時間や残業協定は、労使で取り決めればいいだけのことであり、
私たち管理職は、事実上無条件で企業の鎖に繋がれた労働者といってもいいのである。
また、わが国の有給休暇取得率は平均50%程度で、
もともと与えられた休暇が少ないうえに、取得率も低調なのだが、
そもそもヨーロッパには、取得率という概念さえないのだという。
有給休暇は100%取得して当たり前、取得させない使用者は罰せられるのである。
ドイツの平均年間労働時間と比べて、私たち日本の労働者は400時間以上多く働いている。
サービス残業も含めれば、すごい差になる。
わが国6000万人の勤労者が、ドイツ並みの労働時間だったら、
1000万~1200万人の雇用が創出される計算になる。
ワークシェアリングとは、働くわれらが毎日早く帰宅して家族と夕食を共にし、
有給休暇でしっかり休養を取り、健康で人間らしい生活をするところから生まれてくる。
つまりドイツを見習えば、働いている人はゆったりとした暮らしができ、
職のない人は職を見つけることができる。
ILO条約を批准している先進国の幸福度とわれらのそれは、相当乖離がある。
民主党が政権をとったとして、私たちの幸せ度合いは進行するのだろうか。
税金や年金や社会保障とセットで、労働形態を考える時期が来ていると思う、
日本の政治は、あまりにも長い間そのことを放置しすぎていると思う。
誰の責任なんだろう。