遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

宿替え/桂枝雀

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  宿替え  桂枝雀

  

桂枝雀が亡くなって今月でちょうど10年が経つ。

枝雀落語は一度記事にしたことがあるが
そのDVDと同じシリーズに「宿替え」が入る。

このジャケットの師匠のポーズは、宿替えのとある場面である。


これも枝雀の十八番(おはこ)で、ある。

この「宿替え」は、YouTubeにいいのがあったのでご紹介する。


東京は国立劇場での噺を収録したもので、

以下のとおり4部に分かれているが、

この出し物をノーカットで演じてくれている。



私は、生まれてこの方ずっと関西人で、

枝雀の落語を聞き込んできた中年男だから、

この師匠が放つ言葉の隅から隅まで総て理解できるが、

東京のお客はどうなんだろうかと思ったりする。

ただサービス精神旺盛なこの師匠は、

解説を交えつつゆったり話を運んでくれ、

この東京での席でも、終始大受けで舞台を終えている。


私的には、この噺は枝雀独特の台詞回しと仕草がテンコ盛りで、

原典にはない細かい言葉遊びもあり、

この師匠以外の噺は考えられない。


この噺家が逝ってもう10年が経つことがいまだに夢のようである。