遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

天使と小悪魔/ケイト・ブッシュ

イメージ 1


天使と小悪魔   ケイト・ブッシュ


曲目リスト

1. 天使と小悪魔
2. サキソホーン・ソング
3. 奇妙な現象
4. 風に舞う羽根のように(カイト)
5. 少年の瞳を持った男
6. 嵐ケ丘
7. ジェイムズ・アンド・コールド・ガン
8. フィール・イット
9. 恋って何?
10. ラムールは貴方のよう
11. ローリング・ザ・ボール
12. 生命のふるさと
13. キック・インサイド



このアルバムがリリースされたのが1978年、

30年経っても小悪魔のごとく新鮮である。


時にケイト・ブッシュ19歳のデビュー作にして、

彼女の代表作である。



シンディ・ローパーの30歳でのデビュー作

「シーズ・ソー・アンユージュアル」 http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/37994689.html

から遡ること実に5年である。


シンディの有無を言わさぬ力強いヴォーカルとは対照的に、

ケイトのヴォーカルには、魂を絡めとられてしまいそうになる。



エミリー・ブロンテの大作「嵐ヶ丘」、

荒涼たるヒースの丘に吹きつける嵐と、

さまよう男女の悲しい魂のイメージを、

寸分の狂いもなく仕立て上げる。



イメージ 2


高校生のころに読んだ「嵐が丘」と似ても似つかぬ曲想だと、

20代前半の私は反発さえ覚えたこの1曲が、

30年を経て胸を打つ。


何もかも若かった私。



天使のように時空を超える19歳の天才少女の才能に、

平伏すほかはない。

時も場所も選ばない、すべてが名曲である。