「ミスティック・リバー」は、「スコッチに涙を託して」
「愛しき者はすべて去りゆく」 http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/51692484.html
のデニス・レヘインのミステリ小説が原作。
クリント・イーストウッドが製作し監督。
借りたDVDを見終わってから、原作にあっと気付き、
いつか読もうと思っていたのに、しまったと思う。
ボストンで育った幼なじみ。
少年のころティム・ロビンスは、警察を装った性倒錯者に誘拐監禁される。
少年時代の事件で心に傷を負ったまま中年になったティム・ロビンスは、
ショーン・ペンの娘の殺人事件がきっかけで、
それぞれ別の人生を送っていた3人の遊び友達は、
幸せとはいえない自分達の家庭を持ち、問題を抱えていたなかで、
ふたたび不幸な事件をきっかけに接近することになる。
ショーン・ペンの娘の殺害犯人捜査を中心に、
3人の男たちの仕事と家庭を静かにクリント・イーストウッドが描いていく。
どんな手を使ってでも犯人を見つけ出そうとする、
頭に血が上った父親役を「地」のまま演じたショーン・ペンは、
アカデミー主演男優賞を獲得。
少年期の心の傷を持ったまま大人になり、
閉ざされた暗闇のような生活から這い出すことが難しい中年男、
そんな夫と父親役を見事に演じたティム・ロビンスは、
アカデミー助演男優賞を獲得。
ケビン・ベーコンも、静かな刑事役を好演しており、
犯人捜しの重責を担っている。
優れた原作をもとに優れたシナリオを起こし、
深みのある作品に仕上げたイーストウッド、
彼の監督としての才能は、
役者のそれより数段上等だと私は思うのである。