遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

広島平和記念資料館/丹下健三

イメージ 1


丹下健三の設計デザインで、

コンクリート構造初の重要文化財である。



コルビジェの影響で建築家になった丹下健三

その息吹が感じられる作品。


平和公園の真ん中を慰霊碑に続くアプローチロード、

資料館はそのロードのゲートの役割をも果たしており、

ピロティ(1階を柱だけの構造で吹き抜けにした構造)空間が、

社寺の門のように訪れた人を慰霊碑へいざなう。


縦に入った格子は、日本的な趣きを湛えており、

しかしなお斬新で、戦後日本の建築はここから始まったといわれる。

近い将来、重文から国宝になる始めての戦後建築になるであろう。


まだ開館していない時刻であったが、

この中の資料も含めて、

これまた永久保存するべき建築構造物である。


イメージ 2


資料館からまっすぐ慰霊碑に続くアプローチ・ロード。

遠くに原爆ドームを望む。



イメージ 3


歩みを進め、埴輪の家型アーチの前に立つと、

アーチの中に視覚的に

原爆死没者慰霊碑、 平和の池、平和の火、原爆ドームが、

一直線に並ぶ。


そこには、平和を希求するまっすぐな設計家の思いがある。