丹下健三の設計デザインで、
その息吹が感じられる作品。
平和公園の真ん中を慰霊碑に続くアプローチロード、
資料館はそのロードのゲートの役割をも果たしており、
ピロティ(1階を柱だけの構造で吹き抜けにした構造)空間が、
社寺の門のように訪れた人を慰霊碑へいざなう。
縦に入った格子は、日本的な趣きを湛えており、
しかしなお斬新で、戦後日本の建築はここから始まったといわれる。
近い将来、重文から国宝になる始めての戦後建築になるであろう。
まだ開館していない時刻であったが、
この中の資料も含めて、
これまた永久保存するべき建築構造物である。
資料館からまっすぐ慰霊碑に続くアプローチ・ロード。
遠くに原爆ドームを望む。
歩みを進め、埴輪の家型アーチの前に立つと、
アーチの中に視覚的に
一直線に並ぶ。
そこには、平和を希求するまっすぐな設計家の思いがある。