セザンヌを京都で観たのはいつだったのだろうかと、ネット検索して調べてみた。
「セザンヌ展 京都市美術館 昭49年」とあった。1974年であった。
レコード店でのバイトの時間給230円の頃に、入場料いくら払って観たのだろうか。
バイト代2時間分くらいだったのか。
たぶん一人で観に行ったのだと思うけれど、
貧しい学生だったけど、寂しくはなかったし、
バイトは楽しかったし、いま振り返ってみれば、
自由で輝かしい幸せな時期であった。
映画観て、ジャズ喫茶に通って、美術館に行って…。
就職してしばらくして、この絵の複製を買う。
それから20年近くを経て、オルセー美術館で再会を果たす。
■ リンゴとオレンジ(Pommes et oranges)1895-1900年
73×92cm | Oil on canvas | Musee d'Orsay, Paris
近代絵画の扉を開いた静物画、ポール・セザンヌ作『リンゴとオレンジ』。静物画は風景画同様、セザンヌが好んで描いたジャンルであり、モティーフのリンゴは生涯に数多く描いているが、本作は構図、構成、対象の捉え方など完成度が最も高いものとして知られている作品のひとつ。