遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

母の日とアジサイ

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今日は、母の日。


母の日に贈る花といえば、カーネーションと相場が決まっている。


昨日、私は近くの広大な園芸店に顔を出したが、

さすがに、カーネーションの鉢植えが幅を利かしていた。


しかし、それよりはるかに多くの場所を占有していたのが、

アジサイの鉢植えであった。

母の日のプレゼント用の筆頭が、アジサイに変わったのかもしれない。


そういえば、何日か前の新聞は、

今、ちまたは、母の日にカーネーションの花を贈ることに拘らないと伝えていた。




私は、ここ何年か、ガクアジサイにずっと心を奪われている。

通勤時にクルマで通りかかる田んぼのあぜ道に、

10株ほどの素晴らしいガクアジサイを見つけてから、

ずっと目と心を奪われている。


まりのように大きな花をつける種類の西洋アジサイではなく、

平べったくて可憐なガクアジサイが、私は好きなのである。

我が家の庭にも、造園屋さんにリクエストして、

ガクアジサイを3株ほど植えてもらった。


昨日の園芸店には、多種多様な見たこともない、

美しいアジサイと思しき鉢植えが、

所狭しと並べてあった。

そのアジサイたちを、大きくて立派な鉢植えにアレンジしてもらっている女性もいて、

あの鉢植えをもらう人は旦那の親御さんのような気がするが、

とにかくあの鉢植えをもらった人は大喜びするだろうな、と嬉しくなった。



グレース・ケリーが大好きな花もアジサイだったようである、

そして、その可憐なガクアジサイの原産国である日本も、

彼女はたいそうお気に入りの国であったと聞く。



我が国が原産のガクアジサイヤマアジサイ)は、

海外で交配が繰り返され品種改良がなされ、

多くのバリエーションを持つ素晴らしい花(花に見えるものは実はガクである)となった。


そしていま、逆輸入という形でこの国の人の心を捉えようとしている。

母の日の今日、

すでに家内の贈ったガクアジサイが、

義母の家の玄関先を飾っているようである。