人間は、鎖の一環ですね。はるかな過去から未来にのびてゆく
鎖の。 人間のすばらしさは、自分のことを、たかが一環かと
は悲観的におもわないことです。ふしぎなものですね。
という出だしで始まる、「人間の荘厳さ」のほか、
「21世紀に生きる君たちへ」
「洪庵のたいまつ」
の3篇がおさめられた、薄くてすぐ読み終わる1冊である。
小学校の教科書に司馬遼太郎が書き下ろしたものである。
薄い本であるが、軽やかに書かれてはいるが、
じつに深くて重みのある1冊である。
司馬のことばは、静かでいて明るくて、
それでいて手ごたえのある力が感じられる、ふしぎなことである。
左の頁の日本語、右の頁の英語(対訳)、お好きな方で。