全国を巡回中のプライスコレクション「若冲と江戸絵画」展は、
4月13日から愛知県美術館で開催される。
その中から今日の1枚は鈴木其一(きいつ)の「群鶴図屏風」。
ユーモラスな、一見張りぼてのような鶴。
しかも、六曲一双単位で皆同一方向に向いていて、その姿はすべて真横からのもの。
普通ならそれぞれ違う方を向き、羽ばたきのひとつもしていそうなのだが、
ごらんのように、「飛びます飛びます」的な空気は皆無で、
どこまでも歩いていこう、的な空気である。
こんなにも江戸時代的に普通でないから、
海外に流出してしまったのかもしれない。
この単純でモダンなジャポニズムは、外国人なら飛びつくのであろう。
一羽一羽のその配置のされ方が絶妙で、
彼らの息づかいがしっかりと聞こえてくる名品である。