遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

交響曲第9番「合唱」/フルトヴェングラー

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ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
  ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮), バイロイト祝祭管弦楽団


先ほどN響の第九、TV鑑賞を終える。

そこで思い出した光景…。


ある年の瀬、私は学生だった頃である。

京都の三条の十字屋でジャズか何かのレコードを探していた私の耳に、

店内を流れるベートーベンの第九の旋律が飛びこんできた。

第九テーマの旋律を金管が歌い、弦楽器が伴奏に回るあの4楽章の部分が、

合唱に入る前のあのきらびやかな大編成の第九のテーマが、聴こえてきたのである。


あのときのことを、第九を聴くたび思い出す、

そのとき私の居た店内の位置までも、はっきりと憶えている。


私は目当てのレコードを買って帰ったのだろうけど、

その時に聴こえてきたベートーベンの美しさに、

心を囚われていた。


私の初めて買った第九は、1951年のモノラル録音盤、

バイロイトでのライブ演奏である。

指揮はフルトヴェングラー、LPのジャケットも眼光鋭いこの人が飾っていた。


当時お勉強して、名盤と誉れの高いこの1枚を購入した。


画像はそのCD版である、今でもこれが私のいちばん。



この曲を聴くと、

「もうちょっと頑張ってみよう」と思う人が居るようだ。

そういう便りがNHKに届くと、司会の女子アナが語る。

なぜか元気が出てくる曲のようである。


何も第九に限らず、自分のお気に入りの曲を聴けば、

1フレーズでも聴けば、

元気をもらえたと思え、幸せな気分になるのである。


私たちの脳に湧き出る、

「なんだか幸せにしてくれる物質」は、

恋やスポーツで物理的・直接的に脳に湧き出てきたり、

音楽や文学やアートや芸術に感動した脳にた易く発生し、

困難の克服や、苦悩や苦痛からの脱出に成功した脳細胞にもしばしば分泌される。


年末でなくとも、幸せもとめてこの曲を聴かれたらよいかと思う。



皆様よいお年をお迎えいただきたい、

この一年マイブログにお越しくださり、言葉を残してくださり、

感謝&感謝&感謝、である。