遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

アルジャントゥイユの船着場/クロード・モネ

イメージ 1

「アルジャントゥイユの船着場」クロード・モネ  1872年頃


創作活動に決定的な影響を及ぼす土地の魅力。


ゴーギャンのそれはタヒチであった、

セザンヌはサント・ヴィクトワールであり、

モネはルーアンやアルジャントゥイユであった。


彼はこれらの地で連作を物した。

パリ郊外、セーヌが流れるアルジャントゥイユで、

若きルノアールとモネは画架を並べてよくスケッチをしたという。



ふたりの天才は、陽光溢れるなかで未来が見えたのであろうか。



モネは30歳代の大半をこの地で過ごし、写生に没頭し、

多くの風景画を遺した。

その代表作のひとつがこの一枚である。



長閑なセーヌと白い雲と青い空と並木道、

平らかなキャンバスに、宇宙にまで続く奥行きを与えた作品である。



目下、神戸のオルセー美術館展にてお披露目中である、

見る者を幸せにしてくれる名作である。