ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」
ゲオルグ・ショルティ 指揮, ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
のだめはバスのなかでストラヴィンスキーを暗譜中に、
乗客の携帯電話の着信音楽、あのNHK「きょうの料理」のテーマ音楽が
インプットされてしまい、コンクールでは、
ストラヴィンスキーが途中で冨田勲に変わってしまった。
我が家は、ご飯が炊き上がると、ギースの「アマリリス」が鳴り響き、
風呂に湯が溜まるとパッヘルベルの「カノン」が鳴り渡る。
例の無味乾燥な電子音で鳴り響く、いい曲なのに良い曲でなくなる。
今日のわが職場の会議で、出席者のケータイの着メロが鳴り響いた、
関西では誰もが知るその曲たるや、「探偵ナイトスクープ」という番組のテーマ曲、
それが今日は2回も鳴った。
ま、身内だからそのノー天気さは許すし、ある種微笑ましいが、
いくら受け狙いだとしても(事実2回とも受けた)、選曲に一考を要する。
そんな能天気なわが職場であるが、BGMがつい先だってから変わった。
耳に付く間の抜けたジャンルのチャネルから、
クラシックチャネルに切り替えられた。
私も何度か、無断で独断で、
その有線放送を流す装置のチャネルを変えようとしたのだが、
とんと要領を得ず成功しなかった。
クラシックに切り替わり、BGMはほとんど耳に付かなくなった、
それで良い良い、モーツァルトがかすかにどこか遠くで歌ってる、
そんな感じでイイ気持ちである。
そんな記事を書く私の後ろを流れるのが、
ストラヴィンスキーの「春の祭典」。
のだめが弾いていた「ペトルーシュカ」よりはるかに前衛である、
弦楽器の躍動感が、雪をも融かす力強さがある。
ショルティの眼光も、鋭く熱い。