遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

安らかに眠って下さい

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広島に原爆が投下されて61年目の朝を迎えた。


平和公園の慰霊碑の下に眠る犠牲者の名簿は、

24万7千人を数えるという。

その数は毎年増え続けているという。


吉永小百合は、ライフワークとして原爆詩の朗読会を続けている。

私も何度かTVでその朗読を聴いたことがある。


生ましめんかな      栗原貞子


こわれたビルデングの地下室の夜であった。

原子爆弾の負傷者たちは

ローソク一本ない暗い地下室を

うずめていっぱいだった。

生ぐさい血の匂い、死臭、汗臭い人いきれ、うめき声

その中から不思議な声が聞こえてきた。

「赤ん坊が生まれる」と云うのだ。

この地獄のような地下室で今、若い女が

産気づいているのだ。

マッチ一本ないくらがりでどうしたらいいのだろう

人々は自分の痛みを忘れて気づかった。

と、「私が産婆です 私が生ませましょう」と云ったのは

さっきまでうめいていた重傷者だ。

かくてくらがりの地獄の底で新しい生命は生まれた。

かくてあかつきを待たず産婆は血まみれのまま死んだ。

生ましめんかな

生ましめんかな

己が命捨つとも




吉永小百合さんはテレビドラマ「夢千代日記」で胎内被曝した主人公を演じたのがきっかけで、
平和活動に取り組み、17年間にわたりボランティアで 北海道から九州まで、小中高生たちの
前で原爆詩を朗読し、また朗読を収めた広島編、長崎編の2枚のCDを自ら制作、 4年前には
米国の市民団体に招かれ、シアトル近くの港町ポートタウンゼンドでは、英語で原爆詩を朗読、
また、ボランティアで 原爆資料館の音声ガイドのナレーションも務めている。



未来永劫、地球のあらゆる場所が平和になりますように、

合掌。


「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」