遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ペーパー・ムーン/ピーター・ボグダノビッチ

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ペーパー・ムーン   1973年 米



製作・監督:ピーター・ボグダノビッチ
原作:ジョー・デビッド・ブラウン
脚本:アルビン・サージェント
出演:ライアン・オニールテイタム・オニール/マデリーン・カーン

1973年アカデミー助演女優賞テイタム・オニール)受賞。



チャップリンの「キッド」、父と子で詐欺まがいの商売をして生きている。

この「ペーパームーン」もほぼ同様のシチュエーション。


映画の中では、ライアン・オニールとテイタム・オニールは、

親子なのかどうか「?」がつく、詐欺師と少女。


しかし実生活では、この二人は実の父・娘。



詐欺をはたらきながら1930年代のアメリカ大陸を二人旅。

落語の「時そば(関西では時うどん)」のごとき誤魔化しや、

未亡人になったばかりのご婦人に、聖書を高く売り付ける。


少女もしっかり詐欺行為を身に付ける。

テイタムは、タバコを深々と吸う演技も堂にいったもので、

可愛いだけにそのギャップに「えっ」と思う。

作品ポスターでも、タバコ片手にペーパー・ムーンに腰掛ける。


この作品は、最初から最後までテイタム・オニールの独壇場。

脚本も演出も素晴らしいが、あれだけ可愛く撮ってもらったら、

ライアン・オニールは、形無し。

美味しいところは娘に全部持っていかれた。


当時、史上最年少のアカデミー助演女優賞は、文句のないところであろう。



ラストシーンもチャップリン映画を彷彿とさせる。