秋冬山水図 雪舟 東京国立博物館
■解説
周文,南宋時代の諸大家,明時代の浙派など,多様な様式学習を経て,雪舟は自己の作風を確立した。
たとえば冬景の画面中央から上端にのびる垂直線は調子が強く,この線と周囲の描写との関係は一見
わかりにくい。
しかしこれは,中国の山水画によく現れる,オーバーハングする断崖の輪郭線が極度に強調されたもの
なのである。
このように,構築的な空間構成,強調された輪郭線,また細い線による簡略化された皴法に雪舟様式の
特徴が見出せる。
( 東京国立博物館 http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00 )
周文,南宋時代の諸大家,明時代の浙派など,多様な様式学習を経て,雪舟は自己の作風を確立した。
たとえば冬景の画面中央から上端にのびる垂直線は調子が強く,この線と周囲の描写との関係は一見
わかりにくい。
しかしこれは,中国の山水画によく現れる,オーバーハングする断崖の輪郭線が極度に強調されたもの
なのである。
このように,構築的な空間構成,強調された輪郭線,また細い線による簡略化された皴法に雪舟様式の
特徴が見出せる。
( 東京国立博物館 http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00 )
暑いこの季節に、涼しい一作。
作者は、雪舟。
その後の作品は重文級のオンパレードとなる。
雪舟のイメージは「静」であろうか、
しかしその老後パワーは、並々ならぬダイナミズムを感じる。
この作品の中央を天に突き抜ける一本の線。
私は、枯れ木だと思っていた。
宙空に突き抜ける枯れ木だと思っていたが、断崖の輪郭線なのだという。
筆のおもむくまま、一気に描きあげた勢いが感じられる、
時には勢いで仕上げる仕事もあり、である。
500年前の、アバンギャルドである。