遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

血の収穫/ダシール・ハメット

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血の収穫 ダシール・ハメット (著), 田中 西二郎 (翻訳) 創元推理文庫 130-1




ノワールの代表作家ジェイムズ・エルロイのおすすめが、


などと並んだ、ダシール・ハメットの「血の収穫(赤い収穫)」。



ハメットは、元祖ハードボイルド作家であり、

その代表作がこの作品である。


黒澤明の超娯楽大ヒット作品「用心棒」のもととなった作品でもある。
   http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/7011731.html

主人公コンチネンタル・オプを三船敏郎が演じたわけである。



東京創元社の売り言葉
コンティネンタル探偵社支局員のおれは、小切手を同封した事件依頼の手紙を受けとって、ある鉱山町に
出かけたが、入れちがいに依頼人が銃殺された。
利権と汚職とギャングのなわばり争い、町はぶきみな殺人の修羅場と化した。
その中を、非情で利己的なおれが走りまわる。リアルな性格描写、簡潔な話法で名高いハードボイルドの
先駆的名作。



ひとりの探偵の、身の丈サイズよりは大きいが、

小さな町の短い出来事である、大河ロマンではない。



血祭りに挙げられる者続出な展開となるのだが、

血なまぐさい匂いの無いのが、ハード・ボイルド的なのか、

とってもとってもエンタテイメント小説であった。

読み終えたくない作品であった。


黒澤明ジェイムズ・エルロイも、この作品に惚れ込んでしまった、

それも頷ける出来栄えである。



キレがよくて乾いた感性の主人公と、

ハメットの文体に、

私は虜になってしまった。