遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

岩城宏之氏を悼む

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岩城宏之氏の訃報に驚いている。

氏の著書「森のうた―山本直純との芸大青春記」を紹介した際に、心配していた小澤征爾(1935年-)の病状は快復したとメディアが伝えている。

イワキ(1932年-)も、ナオズミ(1932-2002)の分まで長生きしてもらって、歳を重ね、指揮者として活躍できなくなっても、タクトをペンに持ち替えていいお話を書いてもらいたいものである。

と願ったのに…。

謹んで冥福をお祈りしたい。「ありがとうございました」とも申したい。

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「森のうた/岩城 宏之」
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フィルハーモニーの風景/岩城宏之
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岩城さんは東京都の出身で、東京芸術大学で打楽器を学び、在学中にNHK交響楽団の副指揮者となって、昭和35年、N響とともに世界一周演奏旅行をして一躍、注目されました。

その後、N響の正指揮者を務めるかたわら、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団ベルリンフィルハーモニー管弦楽団など海外の一流オーケストラを指揮し、オーストラリアの終身桂冠指揮者になるなど、活躍の場を世界に広げました。

岩城さんは昭和62年に首の骨を痛めて、一時、再起が危ぶまれましたが、指揮への情熱は衰えず、金沢市に室内管弦楽団をつくるなどして、日本の現代音楽を積極的に紹介してきました。

こうした活躍が認められて、平成5年には放送文化賞を、平成8年には紫綬褒章をそれぞれ受けています。

最近では、ベートーベンの交響曲第1番から第9番まですべてを大みそかひと晩で演奏するマラソン演奏会に取り組んできたほか、今年4月末には、体調を崩しながら車いすで指揮をするなど、最後まで音楽活動に取り組んでいました。