遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

郵便配達夫/佐伯祐三

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郵便配達夫   佐伯祐三



サッカーワールドカップのドイツの緒戦を観ていると、

2対2で日本と引き分けたチームと同じとは思えない変わりよう。

狩猟民族というか、肉食主体の民族は、ここ一番は強烈なパワーが出るようである。


私たち農耕民族は、人前に出るのは苦手で、勝手が違うことになる。

ま、今の若者はかなり狩猟民族化しているから、

今回の日本チームは決勝トーナメントに行ってくれるであろう。



佐伯祐三は、大阪のお寺さんの息子で、妻の実家も裕福だったようで、

今からとてつもない昔に、若くしてパリに渡っている、恵まれた画家であった。



「郵便配達夫」は、亡くなった年の作品であるが、

当時の佐伯は、まだ30歳の若さであった。

この絵は、農耕民族の描く絵ではない。


日本にいた頃は「下落合風景」のようなしっとりとした絵をかいていたのに、

パリで描くとこうも違ってくるのかと思ってしまう、力強いラインが出ている。


Jリーグで淡々と試合をしている選手が、

ワールドカップ出場でギンギンになっている感じに似ているか。


モデルの郵便配達人も背景もパリそのものなのだが、

だからといってパリの空気が出るわけでもない。

でも、佐伯はその雰囲気を軽々と表現してみせている。


昭和初期に、大阪のお寺のせがれが、30歳そこそこの年齢で、

西洋に同化した努力の結果、このような作品を仕上げたことが、

驚異といえる。


パリの街角と看板を書いた一連の作品群も、私は大好きである。




佐伯祐三(さえき ゆうぞう、1898年4月28日 - 1928年8月16日)は、大正~昭和初期の洋画家。大阪市生まれ。

佐伯は画家としての短い活動期間の大部分をパリで過ごし、フランスで客死した。
作品はパリの街角、店先などを独特の荒々しいタッチで描いたものが多い。
佐伯の風景画にはモチーフとして文字の登場するものが多く、街角のポスター、看板等の文字を造形要
素の一部として取り入れている点が特色である。
作品の大半は都市風景だが、人物画、静物画等もある。