「ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス」
パーソネル
チック・コリア(p) ミロスラフ・ヴィトウス(b) ロイ・ヘインズ(ds)
1.ステップス・ホワット・ワズ
2.マトリックス
3.ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス
4.ナウ・ヒー・ビーツ・ザ・ドラム・ナウ・ヒー・ストップス
5.ザ・ロウ・オブ・フォーリング・アンド・キャッチング・アップ
1968年3月 ニューヨークにて録音
スタン・ゲッツ(ts)のところにいて、マイルスに声をかけられる直前の、
チック・コリアのアルバムである。
アコースティックなピアノ・トリオである。
遠い遠い昔に、スイングジャーナル誌選定ゴールド・ディスクになったときに、
購入した。いまは、CDになり13曲も入っている。
時に、チック・コリア26歳、ミロスラフ・ヴィトウス20歳、ロイ・ヘインズ42歳。
演奏以外は、年齢も人種も何の統一感もない。
1968年当時に、このような斬新な、創造的な音楽を誰が演奏していただろうか。
30年以上聴き続けていても、まったく色あせない。
今に至っても掛け値なしの、ピアノ・トリオの歴史的な名盤であると思う。
スリリングでビビッドな演奏は、
ビル・エバンスの対極に位置するものである。
後のリターン・トゥ・フォーエヴァーの片鱗もうかがえるフレーズにニコリとする。
若き天才たちの、微塵の破綻もない、ほとばしるエネルギーを堪能されたい。