遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

リバー・ランズ・スルー・イット/ロバート・レッドフォード

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リバー・ランズ・スルー・イット  A River Runs Through It



明日に向かって撃て」「スティング」の俳優ロバート・レッドフォードは、

監督第1作目の「普通の人々」でアカデミー賞で4部門に輝いた。


5月9日(午前0時50分~)にBSで、例のアクターズ・スタジオでの

レッドフォード「自らを語る」が放送されるようで、

俳優時代の話が半分で、あと半分が監督としての今を語る、というような構成になるのであろう。



いまから100年ほど前の、モンタナの自然とそこに住む家族を描いた

「リバー・ランズ・スルー・イット」は、そのレッドフォードの代表作である。

彼は、「普通の人々」ででもそうだったが、少年を描いたら天下一品の監督かもしれない。


「リバー・ランズ・スルー・イット」は、この作品で世に出た、

ブラッド・ピットの代表作でもある。


彼が出演していなかったら、この作品は人の心に残らなかったのかもしれない。


監督/製作 ロバート・レッドフォード  
原作 ノーマン・マクリーン  
脚本 リチャード・フリーデンバーグ  
撮影 フィリップ・ルスロ(アカデミー撮影賞)  
音楽 マーク・アイシャム  
出演 
ブラッド・ピット
クレイグ・シェファー
トム・スケリット
ブレンダ・ブレシン
エミリー・ロイド
スティーブン・シェレン
 
 牧師の家庭で厳格に育てられた兄弟。だが、エリート大学の大学院を卒業した生真面目な兄
ノーマンと、自由奔放で天真爛漫な弟ポールとは、正反対の性格だ。
 成人してからは違う道を歩む2人だが、ポールはその無鉄砲な性格から賭けポーカーにはまり、
危ない道に入りこむ。 

 モンタナの雄大な自然をバックに、兄弟は父親に習ったフライフィッシングをとおして成長し、
人生を学んでいくさまが描かれている。
 森を流れる川のせせらぎや、水面に反射する日の光、言葉のつむぎ方など、全編をとおして
ロバート・レッドフォード監督らしい詩的な感じが漂っている。(Amazon.co.jpのレビューより)


レッドフォード監督以外は何の前提情報もなく、ほんわかとした釣り少年の映画だと思っていた。

「釣り(フライフィッシング)」が題材になっていなかったら、

私はこの映画を観なかったと思う。


確かに、見事な大自然に溶け込んだ兄弟の、川でのフィッシングシーンは、

アカデミー撮影賞にふさわしい美しい映像で、見る者の心をとらえて離さない。


しかし、人が生涯に出会う「川の流れのような数々の運命」をも、

2人の兄弟の来し方と重ね合わせて、静かに美しくこの映画は描いているのである。