遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

俺たちに明日はない/アーサー・ペン

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監督:アーサー・ペン
製作:ウォーレン・ビーティ
出演:
ウォーレン・ビーティ
フェイ・ダナウェイ
ジーン・ハックマン
マイケル・J・ポラード
エステル・パーソンズ

1967年制作



フォギーマウンテン・ブレイク・ダウンという、

ブルーグラスの名曲をバックに、ボニーとクライドが逃げる逃げる。





アーサー・ペン(Arthur Penn, 1922年9月27日 - )は米国ペンシルバニア州フィラデルフィア出身の映画監督。

1957年に『左きゝの拳銃』でデビュー。 代表作に『奇跡の人』(1962年)、『俺たちに明日はない』(1967年)、『小さな巨人』(1970年)などがある。また舞台の演出などでも有名である。



いわずと知れた、アメリカン・ニューシネマの元祖は、この映画である。


ボニー役には、無名のフェイ・ダナウェイが、6万ドルのギャランティで抜擢された。


ダナウェイはクレジットで自分の名前をタイトルの前に出してもらう為に、6万ドルの出演料から2万5,000ドルを払い戻し、監督たちの要請でグレープフルーツとゆで卵だけの減量を行い、13キロも体重を減らして恐慌時代のやつれた風貌を作り上げる。



世に打って出るというのは、かように根性を据える必要がある。

この映画は、フェイ・ダナウェイの映画だったのかもしれない。



脚本は、ジャン・リュック・ゴダールかフランソワ・トリフォーによって、

映画化されていたかもしれないという。


もし、ハリウッドでこの映画が作られていなかったなら、

映画の歴史は変わっていたかもしれない。


私は、73年のリバイバル上映を観ている。


あの、ラストシーンは事前に承知の上で観ていた。

だけど、ボニーとクライドが逃げおおせないと分かりながら、

逃げろ逃げろと思いながら観ていた。


しかし、ボニー&クライドは逃げてなんかいなかった。


フォギーマウンテン・ブレイク・ダウンをバックに、おしゃれに着飾り、

彼女たちは、軽やかに時代に斬り込んでいった。






キネマ旬報「オールタイムベスト・ベスト100」外国映画編(1999年調査)
第32位

この映画の採点=☆☆☆☆
(双葉十三郎のぼくの採点表より ☆=20点 ★=5点 但し☆☆☆☆★★以上はない)

私の採点=☆☆☆☆★