遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ/遥洋子

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東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ   ちくま文庫

遥 洋子 (著)   価格: ¥651 (税込)



上野千鶴子は長らく京都の女子大に居た。


上野 千鶴子(うえの ちづこ、1948年7月12日 - )は、富山県出身の社会学者。専攻は、家族社会学ジェンダー論、女性学、記号論、人類学。現・関東社会学会会長(2005 - 06年度)

経歴
1980年代にマルクス主義フェミニズムを唱えるフェミニストとして、『セクシィ・ギャルの大研究』が鶴見俊輔栗本慎一郎に絶賛されたことで脚光を浴び、消費社会を論じる新しいタイプのフェミニストとして知られるようになる。その後は心理学や家族、介護や福祉、建築、文学など多彩な分野に関心を示し、広範な学術研究とともにジェンダーフリー問題や慰安婦論争など多くのイデオロギー論争に関わっている。歯に衣着せぬ率直で明解な物言いで知られる。



で、気がつけばいつの間にか東京大学の教授になっていた。


その、上野を追いかけて、東大に走ったのが、

関西ではお馴染みのTVタレント、遥洋子。


「トラトラ・タイガース」などでMCをしていた彼女が、

これまた、いつの間にか東大の上野千鶴子教室の聴講生になり、

こんな本まで出してしまったというわけなのである。


私は、七面倒くさいものやベスト・セラーはほとんど読まないし、

「こうこうすればこうなれる」みたいな押し付けがましい本は、

金払って時間をつぶして読む気など毛頭ない。


これは、「上野千鶴子のところで勉強した私はこうなりました」、

だから、「このようになった私に皆もなりなさい」ということもないだろう。

ま、読んでみてもいいかもしれないと、

書店の平積みで手招きするのを何度かやり過ごした後、

結局買い求めて、きっちり読んだ。

それは、2000年の今頃だったと思う。



上野千鶴子は読んだことがないが、興味はある。

だから、遥洋子を通して上野を知るのもいいかと思った。



東京に大阪から通いながら、厳しい学業をこなしていく遥洋子の

キャンパス日記である。

でも、さすがに、ほんわか日記ではない。


いきなり、すごい課題が上野教授から課される。

職業人がその課題をこなすには、それはそれは努力を要する。



本気で、勉強するぞ、大きくなるぞ、強くなるぞ、

という遥洋子の意気込みが伝わってくる。


そういう意気込みが「ケンカを学ぶ」ことに通ずることだと言えなくもない。


私は終生女子の味方、女は強いし偉いと思っているから、

敵いっこないと思っているから、ケンカをする気はない。


概して女性は、元気で好奇心に溢れていて、素晴らしいなぁと思っている。

そんな女性の一人が物した、楽しい感心した1冊である。