遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

パルプ・フィクション/クエンティン・タランティーノ

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私は小さい頃、小学校の講堂で、年に一二度ある有料映画会には、必ず連れてもらっていたし、

地元のお寺の本堂で、チャンバラ映画を観た記憶もある。


当時の私のヒーローは、市川歌右衛門演ずる「旗本退屈男」であった。

豪華絢爛な衣装を身に、強いの何の、憧れていたものである。


この、チャンバラ映画が好きなのがクエンティン・タランティーノ

チャンバラが好きというよりも、「日本刀」が好きなのかもしれないが。

彼のお気に入りヒーローは、ソニー千葉千葉真一)である。


その、タランティーノの代表作が「パルプ・フィクション」である。




まぁ、この二人が登場すれば、ホームドラマとは程遠い映画になると容易に想像できる。

しかし、「パルプ・フィクション」は、


ケレン味なくストーリは展開していかない。


時制を逆転したり相前後させ、複線のストーリーを走らせて、

最後にひとつにまとめ上げる、という手法、

こういう作品が、映画の真骨頂というのだろう。


舞台ではこういう真似は出来ないし、連続ドラマでも無理だし、

ミステリ小説でも不可能。

「時制を逆転したり相前後させる」というマネが出来ないのである。



映画の特性を利用しない手はないと、考えたかどうか、

31歳のタランティーノ監督は、この作品を引っさげて、カンヌ映画祭で鮮やかに輝いた。



血生臭い原案も、タランティーノである。



こんなバイオレンス映画は、お莫迦教育委員会やPTAのママたちに、

大目玉を食らいそうである。


トラボルタやブルース・ウィリスが演じるところの、お莫迦な人生を観ておかないと、

教育委員ご指定のおバカな人生を生きてしまう、

ってこともあるのである。


私はこの映画の登場人物たちが、おバカな人生を生きているとは、つゆほどにも思っていない。

彼らが身内にいれば困る、程度のことだ。(どっちやねん。)


とにかく、こういう映画はとっても好きである。



IMDb=米の最大映画データベースでの一般投票による歴代映画ベスト250では、
ベスト10内に居るのに驚く。 http://www.imdb.com/chart/top

私の採点=☆☆☆☆★
(☆=20点 ★=5点 但し☆☆☆☆★★以上はない)