ふしぎの国のアリス Alice in Wonderland
1951年
上映時間:75分
製作:ウォルト・ディズニー
監督:クライド・ジェロニミ、ハミルトン・ラスケ、ウィルフレッド・ジャクソン
原作:ルイス・キャロル著「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」
私は目下、長期休暇中。夏休みをとらずに、年始にシフトしただけのこと。
予定はまったくなしの日々が続く。
「ふしぎの国のアリス」に登場する、マッドハッターにお祝いしてもらわなくては。
「誕生日じゃない日、おめでとう」
「何でもない日おめでとう!」
「何でもない日万歳!」
これは、私にとっては素晴らしいフレーズである。
この物語に登場するのは、ほかに、
ホワイト・ラビット、マーチ・ヘアー(3月うさぎ)、ウォルラス(せいうち)、
カーペンター、ハートの女王、トゥイードゥルディーとドゥルダム、
チェシャ猫、キャタピラー(いもむし)、ドードーetc。
どれもへんてこりんなキャラクターかもしれないけど、
愛すべき個性派集団である。
アリスは、このキャラクター達のパフォーマンスに、
次々に、何の脈絡も無く出くわすことになる。
私は、かつて小さい自分の娘達のためにこのビデオを買ったが、
原作「ふしぎな国のアリス」も「鏡の国のアリス」もまったく知らなかったので、
その内容に、いささか驚いた。
起承転結のはっきりしない、シュールな内容に、驚いた、
けど、ニンマリ嬉しくなった。
子どもたちに、はっきりしたストーリーなんか要らないし、
目を見張る色彩と楽しい音楽と可愛いキャラがあれば、それで十分である。
それこそが、ファンタジーの真骨頂なんだから、
自分が理解不能だからといって、子どもにわかるのかなぁ、
などと思わないこと、そこのおかあさまっ。
ストーリーがきちんと分からないと感動できない、気持ちワルイ、
なんてクセを身に付けると、ゲージツ作品に向かう間口が狭くなるので、
そこんとこよろしく。
1865年出版原作の挿画を描いたジョン・テニエルの絵は、今見ても素晴らしい。
ディズニーは、テニエルのキャラをベースに、
自分達のキャラクターデザインを行なったようだ。
そのことが、ほかのディズニー作品にはない、
行動もセリフも外見も実に印象的な、個性派集団を創り出せたのだと思う。
そりゃ、ルイス・キャロルの原作がいいのだから、当たり前なのだが。
もともとオリジナリティは大したことないかもしれないディズニーが、
原作のキャラを生かして、大成功したケースなのである。
この登場人物たちのフィギュアなら、持っていてもイイ、欲しい。
主人公のアリスも、ディズニー史上屈指の愛らしい姿である。
1946年生まれのブッシュ大統領は、このファンタジーを観て育ったのだろうか、
と、ふと思った。観てねえだろうなぁ。
誰も、「何でもない日万歳!」と私に祝ってくれないが、
それはそれで、楽しい休暇である。
あっ、1月生まれのあなたには、誕生月おめでとう。