遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「難民なんていない」と君が言ったから今日は入管法改悪記念日

入管が見落とした難民を探して認定したいと思っているのに、ほとんど見つけることができません」「認定率が低いのは、分母である申請者の中に難民がほとんどいないことを、皆さま、ぜひご理解下さい

2021年に国会でこのように証言したのが難民審査参与員の柳瀬房子参与員

難民審査参与員とは、入管庁による1次審査で不認定となった難民申請者が不服を申し立てた際、2次審査にあたる有識者です。

いま国会で審議中の入管法改正案に対しては、人権上の問題が国内外から指摘されていて、その一つが、難民申請中は一律に送還できない現在の規定を変え、3回以上の申請者を送還可能にすることにあります。

そしてその改正案の根拠の一つとなるのが、「難民を見つけることができない」という柳瀬発言なのです。

では、柳瀬参与員が関与した審査の数は、
2021年で1378件、全体の6741件の20.4%を占めます。
2022年では1231件、全体の4740件の25.9%

参与員は100人を超えますが、なぜか柳瀬氏は1人で全体の4分の1から5分の1に関わっていて、1件当たりの審査時間が12分だとされ、法務大臣もこれでは審査は不可能だとようやく認めました。

問題なのは、
難民審査において難民指定をしない参与員に多くの審議依頼が偏っていること、
「難民なんていない」と柳瀬参与員が言ったことをよりどころとして今回の入管法改正案が提出されていること、
人民はこの事実を知らないし、知ったとしても自分にかかわりはないと思っていること、
とかでしょうか。

柳瀬房子参与員は、「難民を助ける会(AAR Japan)」理事長(2000年-2008年6月)、同会会長(2009年7月~)というご立派なキャリアで、この人が言うなら難民なんていないとみな思うのかどうか、野党がいま要求している国会証人喚問に応じていただきとうございます。

先だって国会で参考人で呼ばれた、浅川晃広参与員にも非常に多くの審査が依頼されているようですから、彼も証人喚問するべきだと思います。

ということで、他国からの難民申請者どころか、この国に住む人さえ難民にされかねないような国に堕ちてしまった日本国政府の動きを監視する必要があることを考えさせられる、入管法改正問題であります。

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