遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ドラマ「エルピス」冤罪事件に刺さっている「錆びた数本の横串」が問題なのだ

ドラマ「エルピス」。地上波ドラマでは久しぶりの全エピソードコンプリート視聴いたしました。
津田大介が「2話見終わったところですけど、面白い」とポリタスTVで勧めていたので、妻が撮り溜めしていたのを一緒に見ました。

上の写真の3人の俳優はTV局に勤める3人に配役されていまして、それぞれ、現実にそんなイイやつはいないだろうというおいしい役を演じてくれています。(この画像は撮影合間のスナップです。)

ドラマの核となるのが、冤罪の可能性のあるとある事件で、その核にいろいろ「横串」が刺さっていて、スリリングな展開のドラマでした。

その横串とは、「TV局の報道の姿勢」「政治の闇」「報道に影響力のある政治家」「権力の陰に隠れられる狂犬」「金と権力」みたいなギザギザのある錆びた横串がいっぱい刺さっています。

このドラマは、ネットの動画配信サイトでも見られるようですので、ネタバレしないためにあまり詳しくは書きませんが、世の中の悪党がいっぱい詰まっているドラマだと思います。

最終回が大団円(ハッピーエンド)で終わったかどうかは、視聴者それぞれの感性によるところが大きいと思いますが、私は後引くような後遺症を伴う中途半端なあのエンディングは悪くない、有りだと思います。

それにしても、現実にあった事件を彷彿とさせるシーンが随所にあり、たしかに「実在の事件」がベースになっているという制作側の断り書きのとおり、実在事件のパッチワーク的ドラマでありました。

「とある冤罪事件」「TV局員によるレイプ」「政治的圧力によるTV局員の逮捕妨害」などは、つとに有名な事件ですが、そんな面影のあるシーンがパッチワークされています。

ストーリに大きく影響しないのですが、政治家の秘書が練炭自殺するシーンがあります。私はそれに酷似したあまり報道されていないニュースを覚えていて、それにも反応してしまいました。(「政治家秘書 練炭」でググってみたら、現実のものにヒットします。)

このドラマをどれくらいの方が見たのかはよく分かりませんが、多くの視聴者さまが本線の「冤罪事件」(無実の死刑囚)だけに囚われるのではなく、その事件に刺さっている「ギザギザのある錆びた数本の横串」についてしっかり認知してくださったのかが気になるところであります。

この悪党がいっぱい詰まった現代の闇を描いたドラマを放映したのがフジテレビ(制作は関西テレビ)だというのが、これまた面白いですね。

フジサンケイグループは、すごいですね。敢えて、アッパレ!を差し上げたいと思います。

出演者のスナップ写真 その2