遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

面白いドラマ「エルピス」に漂う日本の腐臭

ドラマ「エルピス」、録画の第6話くらいまで見たけど、面白い。

冤罪事件を追及する民放報道局のテレビマン(長澤まさみ、眞栄田郷敦)が主人公ですが、冤罪の陰に潜む見えない「巨悪」にどう対峙するかがメインテーマで、ジャーナリストとしての気概がどうあるべきかを描いたドラマを民放自らが制作しているようだ(まだ全話見てないけど)。

眞栄田郷敦は、千葉真一の息子だそうで、60年前の「七色仮面」「アラーの使者」の頃の千葉真一の面影によく似ている。二世タレントだけど、父親にない多才な面白いキャラクターを有していそうで楽しみだ。

津田大介が、「エルピス」制作の裏話を話していて、TBSのディレクターがドラマ化したい脚本がTBSで却下されたのを機に退職して、流れ着いた先が関西テレビで、フジ系列の関テレ制作で「エルピス」が放送されているのだそうだ。

局内の見えざる力が働いて、巨悪を追求しようというテレビマンをバッシングするという構図は、当のフジテレビのみならず今や各局で見られるのではないだろうか。

テレビ朝日の玉川徹は、大したことのない失言により待ってましたとばかりにレギュラーを下ろされ、政治と遠いところ(今朝は三国シェフにインタビュー)で細々とレポーターとして働いていて、まるでリアル「エルピス」のようである。

玉川徹もそうだし、TBSの報道特集金平茂紀がレギュラーのキャスターを降板したことも残念で、地上波しか見ていない市民はテレビのニュースがすべてだと思わされて報道と接していて、国政は惨憺たることになっている。

統一教会問題は、ドラマチックな面白さからワイドショーも積極的に取り上げていて、その悲惨なカルトぶりが社会的にある程度浸透したが、たとえば「43兆円の防衛予算の増額」やそれに関連する「増税」については、多くの国民が「何それっ?」状態で惨憺たる状況だ。

園児が保育士から虐待されているとニュースになっても、国会議員がほぼすべての国民を蔑(ないがし)ろにしていることは放置されたままである。国が今や弱者である国民をネグレクト状態にし放置していると言ってもいいのではないだろうか。

にもかかわらず、国会は日本で最も早く年末年始休暇に入っていて、国会議員たちはモチ代を集めるパーティー三昧なのかもしれない。

ドラマ「エルピス」は、複数の実際の事件から起こされたフィクションのようだが、「闇にうごめく巨悪」の方は、まるでいまの日本とうり二つ(副総理などアレにそっくり)だと気付いている視聴者も少なくないような気がする。

巨悪は我々庶民にはどうにもならないことなのか?何かすべきなのか?できることはないだろうか?そろそろ、少し考えてみてもいいのではないだろうか。