遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ヘイトで食う飯はうまいか?

間違って振り込まれた大金(4630万円)を返さない山口県の阿武町に住む男のニュースが列島をかけめぐっています。彼が大金に何に使ったのかどこに隠しているのかもワイドショーの話題になっています。

間違って振り込んだ町は、大金を取り扱っているにもかかわらずどんなチェックをしていたのか不思議というかずさんなことこの上ないですし、またよりによって振込先が尋常じゃなかったのが不幸が重なり取り返しのつかない出来事としてニュースになるという、お決まりのコースとなってしまいました。

しかし、そんなことよりも「使途不明のコロナ予備費11兆円」の方がはるかに重要なニュースだと思いますが、どのメディアも扱っていないようですね。視聴率が取れないからか、政権に忖度しているからか知りませんが、私たちは忘れていないのでしっかり説明してもらいます。

それにしても、山口の男に話を戻すと、本来は自分のものでない大金を受け取って、それを自分のものにして幸せになるのでしょうかね。当の阿武町は、男の実名を公表して提訴に踏み切ったようですし、なんとも空しいことになってしまいましたが、本来10万円を受け取れる残りの462人たちはもうお金は振り込まれたのでしょうか、そちらも気になるところです。

最近耳にしたのですが「ヘイトで食う飯はうまいか?」という名言。差別主義者が差別本やヘイトスピーチで稼いだ金で食う飯はうまいのか?わしはそんな汚い金で食っても幸せになれない!といったような名言ですが、人を陥れたり騙したり裏切ったり貶めたり差別したり殺めたりして手に入れた金品で幸せになれるのか?ということです。

Youtube(テレビのニュース動画だったか)でオープニングタイトルと静止画像だけをチラッと見たのですが、ロシア兵がウクライナ人を銃で撃って所持品を略奪したらしき動画だったようでした。

戦地で戦死した味方の兵士の所持品(武器や弾倉や水など)を自分のものにするというのは有りだと思うのですが、無防備な市民から金品を奪うというのは、それが事実だとしたらそれは強盗・追いはぎの世界観です。いまそんなことになっているのかと愕然としたし、その動画は見ていませんが自分の身体に取り入れたくない情報でした。

そんなことをして手に入れた金品で幸せになれないし、むしろ不快感が続くのが普通なのですが、「浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」と石川五右衛門が言ったように、悪いことをして私腹を増やしたい人間は、古今東西後を絶たないようです。それが、発展途上の国では、政治家や法律家や警察官や 税関吏などが袖の下で生活しているようですから、そんな国に暮らしたくはないものです。

日本もそんなあさましい国に少しずつ近づいていくような気がしないでもありませんが、それは気のせいでしょうか、いやきっと気のせいです。