遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

サンデー朗希が8回降板も、またもや「準完全試合」達成

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きょう(17日日曜日)は、佐々木朗希の投げる日だと思い出して急遽ロッテ戦を見たらマウンドに佐々木がいて、すでに5回が終わるところでした。

まだその時点で、0対0でしたので佐々木の力投は先週からまだ続いていました。
ところがアナウンサーが5回を終わったところで「ここまでパーフェクト」と言っていて、耳を疑いました。

そこから、3イニングをしっかり観戦しましたが、危なげなくとは言えないまでも8回表を終了するところまで佐々木はパーフェクトを継続していました。

これは2試合連続の完全試合達成かと、とんでもない奇跡と出くわしそうだとドキドキしていました。
しかし、ロッテが点を取れなくて8回裏を終わっても0対0のまま9回に入りました。
そこでロッテの井口監督が審判に交代を告げていて、守備固めの交代かなと思っていたら、ベンチの佐々木朗希は座ったままで登板しませんでした。

残念ながらそこで「佐々木の2試合連続の完全試合達成」という奇跡は、夢に終わってしまいました。

次の条件なら、また状況は違っていて佐々木は9回のマウンドに登っていたでしょう。
・ロッテが1点でも取っていたら
・佐々木のそこまでの投球数が102球で、球数があと10球少なかったら
MLBでプレイしていた井口監督や吉井投手統括コーチがいなかったら
・チームや選手の将来のことを考えないベンチやフロントだったら

疲労の激しかった佐々木朗希を起用せずに夏の地方大会の決勝選に臨んだ大船渡高校の野球部監督のことを支持した身としては、きょうのロッテ首脳陣の選手起用は正当化するしかありません。

実際、ロッテは吉井コーチなどが3連投を基本的にNGとするなどリリーフ陣の運用を徹底し、シーズンを通して戦える環境を構築しているようです。佐々木をプロ1年目で登板させることなく体力づくりに専念させて、計画的に育成してきた経緯もあっていまはまだ無理をさせない方針のようです。

Youtubeで見た限り、野球関係者は「完全試合は見たかったけど、でも佐々木のためを思ったら仕方がない」8回降板だったと異口同音に語っています。対戦相手だった日ハムの新庄BIGBOSSも「降板は残念だったけど...自分だったら投げさせないかな」と他人事のようなことを言っていました。

また、「前週のパーフェクトで相当疲労しているだろうから、きょうはせいぜい6回80球くらいで降板させる方針だったかもしれない」というデーブ大久保の言葉に大きく納得しました。

今シーズン、大リーグではダルビッシュノーヒットノーラン中だったにもかかわらず6回92球でマウンドを降りた例もあるので、ベンチとフロントはシビアに組織運営の継続性のことを考えて実践しているようです。

かつて中日の新人だった権藤は勝って勝って勝ちまくって(新人でシーズン35勝19敗32完投)、その登板過多のようすを「権藤、権藤、雨、権藤」と表現した有名なフレーズがあります。権藤は翌年も30勝(17敗23完投)しましたが、その結果肩を壊して82勝60敗で若くして引退に追い込まれました。

興行的スポーツプロ野球と言えども、所詮主役は選手なのですから、彼らがいなければ経営は成り立たないしファンの夢も楽しみもあり得ないのですから、選手の健康について慎重なのは仕方がないところでしょう。

ということで、当面は「サンデー朗希」が継続すると思いますが、また来週の日曜日の佐々木のピッチングを楽しみにすることにしましょう。