遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

日本の30万種類の姓を残すための選択的夫婦別姓制度

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上の画像は、シャチハタの『ふりがな印』のPR画像です。
シャチハタが商品アイデアでアンケートを取って、多くの支持を得たアイデアが「ふりがな印」だったそうで、このほどそれが製品化されたそうです。

これは確かにグッドアイデアだと思います。画像のなかにもありますが、全く読めない非常に珍しい姓や、正確に読んでもらえない姓を持つ人には良い商品だと思います。

毎週、週刊誌の書評欄に掲載された書籍を紹介するため、本のタイトルや著者を書き写す作業をしていますが、著者のフルネームを書き起こすのが意外と大変です。海外の著者のカタカナネームはもとより、日本の著者のフルネームが実に多岐にわたり、テキストにするのに思いのほか時間がかかります。

まず、日本の姓(苗字)の多さにいまさらながら驚かされます。日本の姓は30万種類に及ぶそうで、読めなくて変換できない苗字も少なくありません。中国や韓国で使われる姓は少なくて、一文字で表記するので複数の漢字の組み合わせで多岐にわたることがないこともあり、中国で数千(5~6千)、韓国で数百(2~3百)程度だと言われています。

姓が少ないと同姓同名も多くなるのでしょうか、面白い例で、韓国の女子ゴルフ選手には、イ・ジョンウンという選手が6人もいて、それぞれ名前の最後に数字をつけて「イ・ジョンウン6」といったように識別されています。
《ハングル文字表記で同姓同名の이정은(イ・ジョンウン)の名でKLPGAに競技者登録を行っている選手が6名おり、KLPGAでは6名のイ・ジョンウンを区別するため、入会年度順に選手の氏名の末尾に数字を割り振る措置を執っている。「ウィキペディア」より。》

日本のおびただしい種類の姓に続くファーストネーム(名前)の種類の多さも合わさって、さらにテキスト変換するのに時間がかかります。

文豪や有名作家や著名人や、ポピュラーな現代作家(たとえば「池井戸潤」「朝井リョウ」「綿矢りさ」などなど)は、姓とセットにすれば一発変換できるのですが、ほとんどは候補の漢字のなかから名前を選択する作業が必要となります。たとえば「けいこ」なら、圭子、啓子、恵子、慶子、敬子、景以子、佳衣子などの候補から選ぶといった具合です。

なので、私は書評の本を記事のテキストに起こす時には、もっぱらAmazonの当該書籍の陳列棚に飛んで、そこで書名や著者名をコピぺして使用しています。最近はAmazonで本を購入していないのですが、本の検索数は毎週80冊くらいに上ります。

ところで、選択制夫婦別姓問題は総選挙結果からまた論議が後回しになってしまいそうですが、夫婦で強制的に同じ姓を使わなければならないのは日本だけのことで、姓にこだわりがある家族にとってはそれを残したいでしょうし、姓が変わるといろいろ支障がある人には何とも納得のいかない問題です。

私の姓で言うと、娘が二人とも長男と結婚して別姓になりましたし、親族も合わせて残り6人が同じ姓を名乗るだけになり、全国にはまだ同姓が数万人いますが、わが一族はまもなく消えてなくなる絶滅危惧状態であります。

ということで、日本大好き保守層にも納得してもらえるよう、強引に結論に持っていきたいと思います。

日本の誇るべき30万種類の姓を残すために、選択的夫婦別姓制度を早く導入しましょう。