遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

年収が増えず消費税と社会保険料の負担割合が増え 致命的な状況です・ニッポン

f:id:toship-asobi:20211022085332j:plain

上は、朝日新聞の「日本経済の現在値」という特集記事のタイトル画像。

韓国に抜かれた日本の平均賃金 上がらぬ理由は生産性かそれとも… [2021衆院選]:朝日新聞デジタル

「日本人の平均年収は424万円。米国(763万円)と339万円も差がある。1990年から現在までに米国は247万円増え、韓国は1・9倍に急上昇。日本が足踏みしている間に世界との差はどんどん開いていた」と朝日の記事の冒頭に書かれています。

しかし、今の自分の年収と比べてみると「424万円でも十分じゃないか」と言う人が大半なのでは?と思うのですが、はたしてそうでしょうか。

 

f:id:toship-asobi:20211022090033j:plain

自民党公明党や維新の会の支持者も、野党の支持者も424万円なら悪くはないと思っているのではないでしょうか。

1990年から横ばいの年収なのですが、それでも暴動が起きないのが日本の素晴らしいところなんだと思いますが、上のグラフで各国の平均年収の推移をみると、愕然としてしまうのではないでしょうか。

1970年代後半に就職した私。以前にも拙記事で紹介したことがありますが、1976~7年頃半当時の私の年収と総労働時間を今計算しますと、時給はほぼ1000円(税込み)でした。

正社員でボーナスも貰っていたとはいえ、名もなき企業の新卒の労働者が45年前でも時給1000円あったのですから、多くの労働者もそんな賃金だったと思います。いまの最低賃金レベルだったのです。

そのことを思うと、1990年から平均年収が横ばいだというのはなるほどなという推移です。

その要因の最大理由は、税金と社会保険料の負担増です。

30年の間に、消費税(89年に3%で導入)は10%になり、社会保険料負担は年間で平均31万円(月2万6千円)の負担となっています。

30年間424万円の収入のままなのに、社会保険料は31万円もの負担になっています。そのうえ、消費税は10%になっていますから、生活必需品しか買えない身の上では正味10%の負担になっているのです。

下のグラフは、年収に対して、黄色のゾーンが消費税の割合、オレンジ色のゾーンが社会保険料の割合を表していて、年収の低い層の社会保険料の負担割合は15%を超え、消費税負担が5%を超えるものとなっています。

f:id:toship-asobi:20211022092856j:plain

グラフの左に行くにしたがって年収が低い層なのですが、年収に対する消費税と社会保険料の負担割合が25%と致命的な割合になっています。

先だっての「日曜討論」で、甘利明は「消費税の使い道は、社会保障と限定されている」と言って、「フェイクだ」とSNSで炎上していましたが、消費税は事実上「法人税の減税補填」税になっています。その証拠に、法人税が下がった企業は内部留保が増え、一般勤労者は社会保険料の負担増になり家計に打撃を与え続けています。

年収の伸び止まりと、社会保険料や消費税の負担増によって、国民はずっと二重苦の生活に耐え続けています。

働いて働いて働き続けて税金と社会保険料(健康保険・年金)を納めているにもかかわらず、コロナ対策はしない将来の年金の保証はないのです。それでも黙って働き続けるのです。ここで、三重苦になります。

おまけに、時の政権は、モリカケ桜だのオリンピックだのGoToキャンペーンだのへなちょこITだの政治サポーターのDappiだのと、中抜き企業や悪徳業者に税金を湯水のように流し続けます。ここで四重苦です。

日本全体では世界第3位の大きな経済ですから、政権交代が起ったとしてもすぐには後継機にはなりませんし賃金もすぐには上がらないでしょうが、消費税や社会保険料や最賃の改善や中抜き業者の排除などは、閣議ですぐ決定できます。最初の閣議で決定できます。

ということで、こんな年収であと4年がまんできなければ、選挙に行って野党に票を入れることをおすすめします。それが幸せへの近道であります。