遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」からの手紙

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京都アニメーションが制作した「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」(テレビ版、全13話)をNETFLIXで見ました。

芸人かまいたちの山内が絶対おすすめしたいアニメにこの作品名を挙げていて、ハライチの岩井にすすめられたのだそうです。ほかに、千鳥のノブや、東野幸治爆笑問題の太田などもこの作品(含む劇場版やスペシャル版外伝)を絶賛していたそうで、私もその波に乗ってみました。その後、社会学者の宮台真司大先生もおすすめのアニメ作品だということも知りました。

NETFLIXでアニメを見るのは「鬼滅の刃」(これも宮台おすすめ作品でした)に続いて2作品目でした。

物語の舞台は架空の国で、車や飛行機など文明の利器が登場し始めた第一次世界大戦終結後の時代背景を持ち、ヴァイオレット・エヴァーガーデンという名の少女が主人公の物語です。

「お客様がお望みなら、どこでも駆けつけます。自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです」というあいさつことばを引っ提げて、戦争中はキラーマシーンのような軍人だった少女ヴァイオレットが、戦後、ドールと呼ばれる「自動手記人形」として、さまざまな依頼人のもとに出向いて行って手紙を代筆します。

冷徹なキラーマシーンだったころは、直属の上官だった少佐の命令のとおりに任務を遂行していた少女が、手紙を書く人の思いに触れるうちに、その少佐の命令にも似た最後の言葉が意味を持ちはじめます。

その上官の言葉はここに書きませんが、この作品に接した息苦しい今を生きる人たちに届く「手紙」のような暖かい言葉であったと思えます。

あの一見能天気な芸人たちが、この作品で感動するというのがなかなか愉快な現象で、良いものを教えてくれてありがとうと感謝したい気持ちです。

私はまだ劇場版も見ていませんし、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の続編がまだあるのかもわかりませんが、京アニであらたなこの作品が作られることを願っています。