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自民党・国交省・NEXCOが揺らぐ耐震偽装不祥事が発覚

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中央高速道路をまたぐ緑橋(東京都日野市)

中央道の上をまたぐ緑橋(上の写真)の橋梁の耐震工事で、手抜き工事があったとして下請け業者の代表が告発するという問題が持ち上がった。

元請け業者は福岡県にある「大島産業」という建設会社で、近年はNEXCO(高速道路会社、元の日本道路公団)の橋梁の耐震工事を少なからず落札している業者のようだ。

今回は、7mの鉄筋を8本入れて補強すべきのところを、全く鉄筋を入れずに工事完了としていた。

告発していた地元業者の吉岡会長は、国会の野党ヒアリングに出席して告発までの経緯を短く語った。

手抜きの事実を認知して以降、心が痛み何とかしなければと悩んだ末に取った手段が、緑橋に掲げた横断幕で「この橋は手抜き工事で危ないので立入禁止」と訴えたそうだ。

 

「第1回高速道路耐震偽装問題野党合同ヒアリング」ヒアリング動画は14分経過後から始まり、告発者の説明は18分頃から始まる)

www.youtube.com

この告発者が現れなかったら、耐震偽装は何か事故が起きるまで闇に埋もれたままだった可能性がある。告発を受けて検査したところ、2019年に耐震工事が行われたにもかかわらず、補強部分の一部ですでに大きな亀裂が見つかったという。

耐震設計書は、国交省NEXCOなどに提出されたものは、現場での施工のために設計図とは異なったものの可能性があり、裏設計書が存在する「二重設計書」による手間とコストをごまかす手抜き耐震工事の様相を呈してきているのではないかと疑われる。

この件に関して、大島産業と深い関係にある自民党宮内秀樹現農水副大臣は、大島産業をかばい、トラブルの際は自ら国交省の担当者やNEXCOの担当者を呼び出し恫喝したという。2012年当選組の自民党議員は、過去にいろいろ問題があった連中で、この宮内もその中のひとりと今回カウントされるだろう。ちなみに宮内は二階派に属している。

本件はまだ問題が発覚したばかりで、本格的な調査は今後さまざまな角度で実施されると思うが、大島産業が元請けとなっている工事は各地で実施されており大きな問題となりそうだ。

bunshun.jp

(記事抜粋)
中央自動車道にかかる緑橋(東京・日野市)で、耐震補強工事がなされたばかりの橋台に鉄筋が入っておらず、強度不足が疑われていた問題について、元請け業者の大島産業(福岡・宗像市)が「週刊文春」の取材に応じ、初めて事実関係を認めた。

きっかけは10月29日に発売された「週刊文春」。元請けの大島産業が手抜き工事をしていた実態について、二次下請けだった吉岡建築設計(東京・三鷹市)の吉岡史人会長が実名で告発した。

大島産業の庇護者として動いた宮内秀樹農水副大臣と大島CEOの近い関係を示す新証言や、同社が過去に起こした凄絶なパワハラ証拠写真NEXCO内部で起きている、大島産業を庇う不可解な動きなどを詳報する。