松任谷由実は私と同学年。彼女は1954年の1月生まれだから、安倍晋三より学年は上。
私がレコード店でバイトをしていた20歳のころ最初のアルバム「ひこうき雲」がリリースされました。
私の同級生としては、ユーミンはもっとも早い時期に輝いていた人物でした。
このたび、安倍晋三の引退記者会見を見ていて「泣いちゃった。切なくて」と「オールナイトニッポン」で言ったそうです。上級国民のユーミンは、安倍夫妻と親交が深かったようで、安倍氏とは「私の中ではプライベートでは同じ価値観を共有できる、同い年だし、ロマンの在り方が同じ」とも発言したそうです。
安倍と「同じ価値観を共有できる」「ロマンの在り方が同じ」という発言には、驚きを隠せません。ユーミンのダサさとダメさを確認して、いままでユーミンの音楽を楽しんで生きてきた身としてはガッカリしてしまいました。
音楽と政治が別だとは思いますが、安倍と「同じ価値観を共有できる」「ロマンの在り方が同じ」には絶対に共感できません。拒否反応を覚えます。若い女子風に言うと「生理的に受け付けません」。
昔、若き長嶋茂雄が「共産党が政権を取ったらプロ野球がなくなる」と言ったのですが、そういう幼い発言とはちょっとニュアンスが違う今回のユーミンの発言は、長い時間ユーミンと接してきた私としてはすごく大きな意味でがっかりしました。ただひたすらカッコ悪い!と思いました。
ユーミンは、功成り名を遂げた人物で、松本人志に代表される売れない芸人風情や橋下徹に代表される野心満々のチンピラ政治屋たちと違って、権力者におべんちゃらを言う必要もない成功者だと思うのですが、安倍に対しては心からねぎらう心からの発言だったようです。それが私にはショックで、(実際の放送は聞いていませんが)上級国民同士の言葉に出してのあからさまな目くばせ発言が、実にいやらしくて気持ち悪いものでした。
このような上級国民同士の傍から見てわかるあからさまな仲間意識は、昭和の時代で息絶えたと思っていたのですがいまだにこれですか。
これが、たとえば(同年代で例えると)さだまさし、山下達郎、小林幸子、林真理子、郷ひろみなどが何を言おうと私はファンではないので「どうぞご勝手に」となるのですが、ユーミンには特別な思いがあり、片思いだったけど失恋してしまったに近い感慨があり残念なことです。
私はもう老人ですので、せめてイチローや藤井聡太や渋野日向子や桑田佳祐や中島みゆきや宇多田ヒカルなどには失恋しないで余生を暮らしたいと願っています。彼ら上級国民の本心を知らないまま、「幸せでした」とこの世からフェードアウトしていきたいと願っています。
さらば松任谷由実。