遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

こんなときですが、おすすめ外国映画4本(その3)

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イレブン・ミニッツ  2015年 1時間22分   キネマ旬報2016年8位

《午後5時に始まり5 時11 分に終わるこの物語は、大都会に暮らすいわくありげで見ず知らずの人々に起こる11分間のドラマをモザイク状に構成した、監督初の群像劇。起承転結のあるストーリー、詳細な心理描写、背景説明などを一切排し、使い古されたサスペンスという定番ジャンルの様式を、掟破りでラディカルなチャレンジ精神で突破した本作。》

午後5時から5時11分までの11人の登場人物の11分間を、1時間22分の映画にする手腕が見事。良質のエンターテイメントだ。ポーランド映画

 

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アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男  2015年  1時間45分

《1950年代後半のフランクフルト。ナチス戦犯の告発に執念を燃やす検事長フリッツ・バウアーのもとに逃亡中のナチス親衛隊中佐・アイヒマン潜伏に関する手紙が届く。アイヒマンの罪を法廷で裁くため、国家反逆罪に問われかねない危険も顧みず、その極秘情報をモサドイスラエル諜報特務庁)に提供する。しかしドイツ国内に巣食うナチス残党による妨害や圧力にさらされたバウアーは、孤立無援の苦闘を強いられていくのだった…》

史実に基づくドイツ映画。検事長というのは検事総長。戦後12年後の、ナチスの残党に対する勇気と執念の記録。人種差別、同性愛、東西の壁などの艱難をどのように凌駕するのか、お疲れの日本の検察官にも見てもらいたい。

 

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LION /ライオン 25年目のただいま 2017  1時間58分

《オーストラリアで幸せに暮らす青年サルー。しかし、彼には隠された驚愕の過去があった。インドで生まれた彼は5歳の時に迷子になり、以来、家族と生き別れたままオーストラリアへ養子にだされたのだ。成人し、自分が幸せな生活を送れば送るほど募る、インドの家族への想い。彼は遂に決意する。「家を探し出す―」と。》

これも、実際にあった物語。直線的な分かりやすい筋立てなので、主人公の人生ほどストレスなく楽しめる作品だった。

 

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リンカーン弁護士    2012年 1時間58分

《ベストセラー小説、待望の完全映画化! 全米大ヒット!極上のサスペンス・エンターテインメント! 高級車リンカーンの後部座席をオフィスにL.A.中の法廷を駆けめぐるミック・ハラーは、金次第で麻薬売人や売春婦の容疑を晴らす敏腕弁護士。 ある日、資産家の御曹司ルイス・ルーレが女性への殺人未遂容疑で告発され、弁護を担当することに。楽勝で高額な報酬にありつけると勇むミックだったが、過去にミックが弁護を担当した別の殺人事件の真犯人がルイスではないか、という衝撃的な疑惑が浮上。》

若いころ、ジョン・グリシャムの小説や映画に入れ込んでいた時期があった。アメリカの弁護士ものは外れが少ない。本作は、マイクル・コナリーの同名小説が原作。原作も読んでみたかったが、「こんなとき」は楽しい映画に限ると思った。