遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

将棋は相手と争い時間と戦う/藤井聡太順位戦昇級!

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将棋の前に、ちょっと予算委員会の質疑時間の話。

各委員は持ち時間の範囲で質問をすることができるが、衆議院は内閣や官僚の答弁時間も委員の貴重な持ち時間から差し引かれる。

なので、野党議員は時間の使い方に神経質で、なにかと「時計を止めて~止めて!」と叫ぶことになる。また安倍をはじめとする閣僚たちは、だらだらと答弁をして時間を浪費する。

それが、参議院は委員の質問時間だけが持ち時間としてカウントされる。これを「片道方式」と呼ぶそうだ。したがって、答弁がいくらもたもたしていようが停滞しようが、野党議員は時間の消費に関しては神経質になっていない。

基本的に、参議院予算委員会だけは「片道方式」なのだそうだが、衆議院も同じ扱いにしてほしいものだ。答弁の長さと陳腐さに吐き気を覚える。

ところで、プロの囲碁と将棋の持ち時間の消費のされ方にも差がある。
囲碁は、対局中に席を外している間に相手が打っても離席中の時間はカウントされない。それに対して、将棋は中座していても持ち時間が消費カウントされる。

先だっての棋王戦予選(1月31日)で、わが藤井聡太七段は、持ち時間残り3分のところで相手が考え中にトイレに立った。相手は数十分を残していて余裕だったのだが藤井がトイレで離席中に一手指してしまったので藤井の時計が動き出したのだ。さいわいすぐ戻ってきたので事なきを得たが、見ていてハラハラした。私なら残り3分でトイレに行く余裕はないのだが、将棋の離席中の時間ルールは何とか変更できないものなのだろうか。

記録係(上の画像でマスク姿の彼)を務めるプロの卵棋士にいたっては、トイレに行く時間は休憩時間以外は確保されていない。何とかならないものか。

ちなみに、囲碁も将棋も共通なのは、遅刻をすると遅れてきた時間の3倍が持ち時間から差し引かれる。かつて、対局日を間違えた関西の将棋棋士が、時間切れで負けたシーンを何かで見たことがある。対戦相手は、将棋盤の前でじっ~と座って相手がくるのを待っていてえらいなあと感心したのだが、その(待っていた方の)棋士が現在の名人豊島将之だった。

藤井聡太は、トイレでヤバかった棋聖戦を173手という長手数でなんとか勝ち、続く2月4日に行われた順位戦C1級では今季負けなしで来季B2級への進級を決めた。去年は9勝1敗だったにもかかわらず昇級がならなかっただけに今年の昇級はアッパレ!である。