自治医科大学(栃木県下野市)は、相変わらず「医師国家試験」の合格率のトップを維持しているようだ。
自治医大の医師国家試験合格率は、過去11年間(平成19年〜平成29年)では全国順位第1位を7回、第2位を2回、第5位を2回記録しており、総合順位で1位を維持している。
入学定員は今年度までは100人だったが、来年度から123人に増員されるという。
合格者は各都道府県から2~3人ずつ均等に出され、卒業後9年間、地域医療に従事すれば6年間の学費約2300万円が免除される。ただし、自治医科大学に合格すると他の国公立大学を受験することができない。
その自治医大などの調査によると、我が国の医療機関では抗生物質の使い方が著しく不適切だという。
《抗菌薬は細菌感染の治療薬でウイルス性の感染症には効果がない。また急性咽頭(いんとう)炎(扁桃(へんとう)炎)や急性副鼻腔(ふくびくう)炎などへの処方が36%あったが、細菌が原因のケースは1~2割のため、効果がないウイルス性にも多く処方されていたとみられる。》
風邪や気管支炎に抗生物質は効かないというのは、ワイドショーレベルの知識だと思うのだが、これはいったいどういうことなんだろうと目を疑ってしまう。医師国家試験に出題されても絶対間違ってはいけない問題だそうだ。
処方した医師が知らないのなら問題だし、効かないことを知っていて処方したのならもっと問題だ。
しかも、無駄に抗生物質を使っているだけではなく、抗生物質が効かなくなる「耐性菌」を生み出していることにもなっていて、患者さんの体と高価な薬を使って「マッチポンプ」ゲームをしてるんじゃないか?と非難しておきたい。
「健康保険」財政が火の車になっていて、そのために病院での入院期間が短縮され、保健医療の本人負担が少しずつ重くなっていっているというのに、無駄な薬を処方し続けるというのはいかがなものだろう。自治医大出身の医師に代表されるような、清廉で患者思いの医師ならそんな処方はしないはずだ。
薬はガンガン使うが、治療のための入院はさせないで、保健医療は先細りにさせていくって、「アメリカ式の高額医療制度+民間保険制度の導入」にシフトされようとしていて怖くなってくる。
それにしても、この無意味で無駄な処方について自治医大やその他の研究チームという民間レベルの機関が指摘するということ自体が由々しき問題だ。
厚労省は何をしているのだろう。
医師国家試験を合格した優秀な技官がワンサカいるのに、その連中はいったい何の仕事をしているのだろう。京都に不倫出張して山中教授に研究予算を減らすぞと恫喝している場合か?
日本は頭が腐っているので、国のいたる所での腐食が始まってきて久しい。
とりあえずは無能な安倍政権を取り換えて息を吹き返さなければ、日本は完全に機能不全になってしまう。
7年前から、日本国の機能不全のカウントダウンは始まっている。だからといって、もちろんこれにも抗生物質は効かないのであった。