遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「エリエール」渋野日向子が逆転勝利‼ 来季のシード選手も決定‼

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プレーオフに備えてパターの練習中に優勝の知らせを聞いた瞬間の渋野

 その昔、勝ちまくっていたころの岡本綾子は日曜日のスコアがすごくて「サンデー綾子」と呼ばれていました。私は岡本のスイングのリズムを真似するようになってからゴルフがすごく上達しました。大ファンでしたし、ゴルフの師匠のような存在でもありました。

 大王製紙エリエールレディスオープンのテレビ放送の解説は、いつも岡本綾子で、サンデー綾子の解説は技術面と精神面の細かい情報が粒ぞろいで秀逸であります。

 きょうのエリエールレディスオープンの渋野日向子のプレーを見ていると「サンデーしぶこ」と呼んでもいいように思いました。

 3日間付かず離れずの好位置につけていて、最終日に一気に抜き去るしぶこスパートは胸のすく思いでした。エリエールレディス、優勝おめでとう!

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 まあ、来週も頑張ってはほしいけれど、たとえ渋野が賞金女王を獲れなくても満足です。国内で4勝(うちメジャーで1勝)し、海外メジャー全英女子オープンでも優勝して、2019年は素晴らしい活躍でした。日本中に、女子ゴルフファンがものすごく増えました。皆、しぶこのプレーや笑顔で、しばしの幸福感に浸ることができました、ありがとう。

 もともと、女子ゴルフは人気のスポーツで、男子ゴルフのトーナメントが少なくなってきているのに反して、女子ツアーは、トーナメントの数が増え続けています。ほぼ毎週女子ゴルフトーナメントが開催されファンの目を楽しませてくれています。

 ところで、来年のシード選手がきょう確定しました。

 賞金獲得上位50人が翌年度のツアーにシードされ、すべての試合の出場資格を得ることになります。
 また、51位から55位の5人の選手には、来期の上半期の17試合に出場できる資格が与えられます。

 ですから、50~60位前後の選手は事実上今期の最終戦の「エリエール」には思い入れが違っていて、一打一打に祈りを込めています。開幕戦からそうすればいいのでしょうが、そこがAIと違って人間の麗しいところなんでしょう。

 ところで、今季50位の選手の最終獲得賞金が2千4百万円で、55位の選手で2千60万円でした。56位と57位の選手も2千万円以上の獲得賞金でした。年間2千万円も稼いでも、55位以下なら来年の出場権はリセットされて、12月の来年度のツアー予選会QT(クォリファイングトーナメント)の最終ラウンド(18ホール×4日間大会)に出場してツアー参戦資格を取らなければならないシステムになっています。

 QTの上位者にも、来年度の上半期の17試合の出場が約束されます。ちなみに、昨年プロテストに合格した渋野日向子は、昨年のQTランキング40位の資格で今年度の上期にトーナメントに出場し、メジャー大会のサロンパスカップで初優勝し、プロの花道を手にして今に至っています。つまり、渋野は上半期のワンチャンスをものにして、まさにシンデレラストーリーを歩んできたのです。

 女子プロゴルフのトーナメントに出場できる選手は、100人前後で、全試合に出場できるシード選手50人を核として、何とか這い上がろうとするそのほかのQT上位者や主催者推薦選手や招待選手など50人ほどで構成されています。

 生涯30勝以上している「永久シード」選手は、いつでも無条件で出場できるプロで、現時点で樋口久子、大迫たつ子、涂阿玉(とあぎょく)、岡本綾子、森口祐子、不動裕理の6人となっています。

 ということで、渋野日向子が永久シード権を獲得できる日まで、あるいは藤井聡太が名人になるまで、長生きしたいと思っている今日この頃であります。