遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ベートーヴェン「運命」/小澤征爾とNHK交響楽団

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4日(日)のNHK教育TVにて、

NHK音楽祭ハイライトを視聴。


指揮が小澤征爾で、オーケストラは、NHK交響楽団

若いころの小澤とN饗とは、イロイロあって、その後も犬猿の仲だったけど、

ま、そのころのメンバーはほとんどいないし、小澤ももう若くないし、仲良く音楽祭。

確か、N饗との確執の原因は、小澤の著書「ボクの音楽武者修行」で触れていたと思う。

toship-asobi.hatenablog.com

違っていたら、ゴメン、でも読んでも損はない本だから、許されたい。

NHK音楽祭は、お気軽に楽しめる「特別プログラム」だったので、

観客は小中高生が多数で、楽章が終わるたびに拍手が興る、

ほほえましいコンサートであった。


大人は、全曲終わってから拍手するのだが、小中高生は、それでもいい。それのほうがいい。

以前、誰が振ったか忘れたが、国連の会議場での演奏会でも、

楽章ごとに拍手が興ったのを、私は憶えているが、

国連大使と小中高生は、それでイイ。

それより、曲が終わるか終わらないかのうちに、

我先に拍手喝さいをする下品な観客をよく見かけるが、

そちらの方がずっと見苦しい。

 

1秒でいいから、感動する、一瞬の間をとってほしいものだ。


そんな教育コンサート的「特別プログラム」でも、あたり前だが、手抜きは一切なし。

ベートーヴェン交響曲第5番「運命」の、激演だった。


小澤の名声や音楽性やパフォーマンスを、いろいろ言う輩がいるが、

日本の子ども達や、中国のこれから巧くなる演奏家達や、

桧舞台にほとんど立つことのない地方の演奏家達や、

ソリストのスター軍団であるサイトウキネンオーケストラの聴衆達や、

これからスーパースターになろうという世界中の若い演奏家達への、

貢献度は並々ならぬものがある。

偉い。

注目されてなかったら、貢献しないかもしれないけど、

何をやっても注目されるのなら、それも利用して、

敢えて、労苦を引き受ける小澤の度量は、尊敬できるのではなかろうか。

きちんと「運命」を聴いたのは、何年ぶりだろうか。

N饗も、リハーサルから注目されてプレッシャーもあったろうが、

昔のように意地悪しないで、いい演奏をした、感動した。

当日(10月26日)の、NHKホールの若き聴衆達は、

ベートーベンに小澤征爾にN饗に感服したのではないかと思う。