遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

駅馬車/ジョン・フォード

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500円DVDシリーズ第3弾。(画像は別物)


駅馬車 (1939)  STAGECOACH

上映時間 99 分

監督: ジョン・フォード 
 
出演:
ジョン・ウェイン 
トーマス・ミッチェル(アカデミー助演男優賞) 
クレア・トレヴァー 
ルイーズ・プラット 
ジョン・キャラダイン 
ドナルド・ミーク 
ジョージ・バンクロフト 



同じ時に同じ場所に居合わせた人々のそれぞれの人間模様を描く映画を、

「グランド・ホテル形式」という。

「グランド・ホテル」という映画が、その名前の由来となっている。


駅馬車」もグランド・ホテル形式である。


場所が、船なら「ポセイドン・アドベンチャー」「タイタニック」になり、

列車なら「オリエント急行殺人事件」になり、

建造物なら「タワリング・インフェルノ」「ダイハード」になり、

駅馬車なら「駅馬車」となる。


極限状態になると、人間の本性が見えてきて、

グランド・ホテル形式では、「お金持ち」「セレブ」が、

情けない役どころを受け持つ「お約束」となる、と思っている。



ジョン・ウェインは、訳ありの元牧童で、お尋ね者。

クレア・トレヴァーも、町を追い出された「不潔な商売女」役。

オスカー助演賞のトーマス・ミッチェルが、医師役で大活躍。

この三人を中心に、人間模様がイロイロ展開していく。




「クォーター・ホース」という、400メートルだけは全力疾走できる馬がいる。

1マイルのクォーターが400メートルで、

クォーター・ホースは、短距離なら地球一速い馬なのである。


ジョン・フォードは、この短距離を全力疾走できる馬たちを配して、

この映画の、クライマックスを、迫力のあるシーンに仕上げている。


黒澤明は、ジョン・フォードの「馬」の使い方に傾倒していたとか。

そういえば、「七人の侍」や「乱」の馬のシーンは、

本家に負けないくらいの素晴らしさであった。




駅馬車」内の人間模様の「静」と、

アクション場面の「動」が、

実に見事に組み合わされた、歴史的な名画である。



キネマ旬報「オールタイムベスト・ベスト100」外国映画編(1999年版)

第7位


この映画の採点=☆☆☆☆★★
双葉十三郎のぼくの採点表より ☆=20点 ★=5点 但し☆☆☆☆★★以上はない)

私の採点=☆☆☆☆★