遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

シャンプー&リンス/ユニバーサルデザイン

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シャンプー容器にギザギザがついているが、これはリンスと区別するためのもの。

同じ容器で並べて置かれたシャンプーとリンスを見たとき、どちらがシャンプーなのかわからなくなるときがある。また、髪を洗っているときは、誰しも目をつぶる。そんなときに、このギザギザをさわれば、確認できる。

これは、目が不自由であろうとなかろうと、誰にとっても便利なデザインである。

私は、職場の研修でこのことを知った。

実生活で、これは役に立っている。


ユニバーサルデザインの7原則から、このような商品・設備が増えてきている。

熊本県 政策調整課 特定政策推進室のHPより
http://www.pref.kumamoto.jp/ud/htm/4-1udroommanabu/rule/7gensoku.html


今や、自社のシャンプーにギザギザを入れていないメーカーはないであろう。

しかし、ボトルの横腹にはあるが、キャップ部分(ポンプの頭部)に刻みが入っていないものがまだある。
そんなことで、目くじら立てないが、家人には「そのシャンプーは次は買うな」と頼む。



話は変わるが、

CSR(企業の社会的責任:Corporate Social Responsibility)という言葉をご存知か。

「収益を上げ、税金を納める」から、

「ガバナンス(企業統治)の徹底」「誠実な顧客対応」

「環境への配慮」「従業員に対する優しさ」へと、

企業の責任概念が変わりつつある。
 (参考:http://www.csrjapan.jp/

だから、「シャンプーのキャップ部分に刻み」を入れていない企業は、
CSRでいうところの「誠実な顧客対応」が完璧ではないのかもしれない。

企業のCSRを調査するNPOも存在している。
そういうサーベイ機関の、CSR調査のためのアンケート回収率は、年々上がってきている。

「その類のアンケートに答えないこと=社会的責任を果たしていない」という評価にもなりかねない。

大企業は、CSRのためのセクションを設けている。こんなの、今や常識である。

ソニーと松下のCSR
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/Environment/
http://panasonic.co.jp/csr/csr03.html


最も重要なことは、CSRが法律に基づいていないことである。

「シャンプーにギザギザを入れなさい」という法律はない。

多くの企業は、コストをかけて、自主的に「社会的責任」に取り組んでいる。


CSRというよりも、シャンプーが売れなくなるから刻みを入れる、

それでもいいではないか。やらないよりマシだ。

企業は、「淘汰されるのが怖いからCSRを遂行」することを、恥と思わないでイイ。

とても立派なことである。


国・政府は、
国民へ誠実な対応をしているか?
ガバナンスが機能しているか?
環境に配慮しているか?

淘汰されないんだから、必要ないか、そんなことやらなくてもいいのか。

いいのか?