私は今、司馬遼太郎の「八人との対話」(文春文庫)を読んでいるところ。
対話の相手は、
山本七平、大江健三郎、安岡章太郎、丸谷才一、永井路子、
立花隆、西澤潤一、アルフォンス・デーケンの8人。
司馬 「だから、われわれの民族は、政治家を選ぶのによほど厳密じゃないと
ダメなんでしょうな。」
山本 「そうなんですね。」
司馬の「だから」を説明すると長くなるので、省略するが、
司馬も山本七平も、戦争で兵に採られて、軍隊(軍事国家)のバカさ加減に心底怒っている。
で、ここで紹介するのが、もう少しライトな、
鼎談(ていだん:三人が向かい合って話をすること)集である。
「経験を盗め」糸井 重里 (著) 中央公論新社 価格: ¥1,890 (税込)は、
端から端まで100メートルもある某ホテルのプールサイドで、
甲羅干しをしながら読もうと、ホテルの近くで購入した本。
糸井重里と2人×18章の鼎談集である。
出場者をご覧あれ。
一/食べ物のお話 里見真三/山口文憲
二/旅のお話 白幡洋三郎/西江雅之
三/記憶のお話 池谷裕二/樋口清美
四/眠りのお話 井上昌次郎/矢崎葉子
五/ペットのお話 石川良輔/杉浦宏
六/昆虫のお話 川上弘美/矢島稔
七/声のお話 鈴木松美/巻上公一
八/ダジャレのお話 小田島雄志/松沢和光
九/独身のお話 篠原勝之/橋本治
十/墓のお話 佐々木幹郎/長江曜子
十一/異文化のお話 オスマン・サンコン/辺真一
十二/骨董のお話 出久根達郎/仲畑貴志
十三/おしゃれのお話 大橋歩/広瀬光治
十四/ゲイのお話 ジョージ/南伸坊
十五/水と音のお話 最相葉月/前田學
十六/風邪のお話 加地正郎/田中聡
十七/体力のお話 立花龍司/増田明美
十八/祭りのお話 みうらじゅん/森田三郎
動物園の元園長、私の大好きな女流作家、いつも「声紋」と登場の声の科学者、
シェークスピアの権威、ゲージツ家、「背中のいちょうが泣いている」の生みの親、
日本語で考えるギニア人、コリア・レポート編集長、
糸井と並び称される名コピーライター、平凡パンチの表紙画家、
ニット編みのお兄さん、「絶対音感」の女流ノンフィクション作家、
プロのトレーナー、元五輪選手でマラソンの解説名人、
そのほか、怪人、奇人、変人、達人などなど。
たのしいお話が満載で、「聞いて欲しいっ」と思ったことを、
糸井が時々ちゃんと聞いてくれる。偉い。
その道の達人たちの話は、実に面白い。お好きなところから読まれたい。
「さらに経験を盗め」中央公論新社 価格: ¥ 1,680
も、絶賛(かどうかは知らないが)発売中。