「ぼくが愛するロック名盤240」 講談社プラスアルファ文庫
ピーター バラカン (著) 価格: ¥1,029 (税込)
著者のピーター・バラカンがDJをつとめる「ウイークエンド・サンシャイン」
(NHK-FM毎週土曜日7:15~9:00 http://www.nhk.or.jp/ )。
土曜日の早朝に車で家を出ることが多い私は、カーラジオでこの番組を聴くのが
楽しみである。
日本人も舌を巻くほどの、忘れ去られた感のある美しい表現で日本語を操る、
ピーター・バラカンの紹介で、朝からブルースやロックがカーラジオから流れる。
これが、なかなか爽やかで、早起きは三文の徳、って感じがする。
その、ピーター・バラカンのお奨めロック名盤を集大成したのがこの本。
ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、サンタナ、
スティービー・ワンダー、レイ・チャールズ、エルビス・プレスリー、
チャック・ベリー、ジェームス・ブラウン、などなど240枚のオンパレード。
全てのアルバムに、丁寧なコメントやエピソードが丹念に書かれており、
曲名も全て網羅されており、見事なロックのデータベースとなっている。
さらに、なんと、マイルス・デイビスも入っているのである。
ジャズファンの私としては嬉しい限りであるが、「ロック名盤」なんだろうか。
ここには↓、バラカンの選ぶベスト50がある。ほんのさわりだが、ご覧あれ。
http://www.nhk.or.jp/sunshine/pc/
この、名盤240には、
クィーン、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリン、
ピンク・フロイド、グランド・ファンク、デビッド・ボウイは入っていない。
ディープ・パープルの「ハイウェイ・スター」「スモーク・オン・ザ・ウォーター」
「ブラック・ナイト」は、掛け値なしの名曲だと私は思う。
クィーン、ディープ・パープル、ツェッペリン、みたいな
スカッと直球勝負するバンドは、お気に召さないのだろうか。
私は、こういう直球も大好き。第一、真っ直ぐは打ち易い。
ただ、若い頃のエルビス・プレスリーは、
直球勝負でくると判っていても打てない。スゴイ。
最も多く登場するのはヴァン・モリソンで、彼のお気に入りはエルビス・コステロ。
ちょっと変わっているが、趣味の問題だからしかたない。
このあたりが、著者のこだわりなんであろう。
読み手に媚びることなく、自分の趣味で押し通しているところが偉いといえば偉い。