遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

2006-06-05から1日間の記事一覧

さぶ/山本周五郎

さぶ 山本 周五郎(著) 新潮社文庫 小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶが泣きながら渡っていた。 これが、山本周五郎の「さぶ」の冒頭部分である。 主人公さぶは、社会の片隅に住む、のろまで間抜けで要領の悪い男である。 もうひとりの主…